ショーン・ビーン&ファムケ・ヤンセン、ハリウッド実写『聖闘士星矢』で顔合わせ 人気キャラを演じる心構え
新田真剣佑のハリウッド初主演作『聖闘士星矢 The Beginning』に出演したショーン・ビーンとファムケ・ヤンセン。世界的な大ヒットシリーズに出演し、ハリウッドで活躍し続ける二人が、キャリアを振り返りながら、人気作品の実写化に挑む心構えを語った。
【動画】新田真剣佑、亡き父 千葉真一への思い動画インタビュー
漫画家・車田正美の「聖闘士星矢」は、地上の平和を守る女神アテナのため、己の内に秘めた小宇宙(コスモ)を燃やして戦う闘士・聖闘士(セイント)の物語。姉と生き別れ地下闘技場で戦う青年・星矢(新田真剣佑)が、アテナの生まれ変わりの女性シエナ(マディソン・アイズマン)を守る使命に目覚め、聖闘士となるため激闘に身を投じる。
大ヒットファンタジー『ロード・オブ・ザ・リング』のボロミア役で知られるショーンは星矢に運命を告げるシエナの育ての親アルマン・キド役、『X-メン』のジーン・グレイ役などで知られるファムケはアルマンの元妻で武装兵団を率いてアテナを抹殺しようとするヴァンダー・グラード役で新田と共演。ファムケは「真剣佑は、私たちからアドバイスできることなんてないくらい素晴らしい俳優でした、間違いなくスターになると思います」とそのスター性に太鼓判を押す。
1995年公開の映画『007/ゴールデンアイ』で共演した二人。「ショーンとは『ゴールデンアイ』と『サウンド・オブ・サイレンス』で一緒でしたけど、顔を合わせて演技をするのはほぼはじめて。ついにという感じでとても嬉しかったです」としみじみ語ったファムケは「お互いに歳をとったわよね」とショーンに笑いかけると、『007』後のキャリアを振り返る。
「『ゴールデンアイ』でブレイクしましたが、それから女優として、俳優として受け入れてもらうために一生懸命努力しました。というのも、ボンドガール女優はその後で消えていくという風潮が強かったから。私はオランダ出身だけど、ボンド映画の影響で私をロシア人だと思っている人もいたくらいなので、独立系の映画で自分の力を証明したり、小さくても実力を見せられる役に挑んだりしていました。もちろん、その後で素晴らしい大作シリーズに出ることができたことも本当に運が良かったですね」
ショーンも、ファムケの言葉にうなずくと「彼女の言う通り、『ロード・オブ・ザ・リング』のような大作シリーズに出られたのは本当に運が良いことです。インディーズ映画の方が自由で、やりがいや満足感を得られることも多いですが、浮き沈みが激しい。良い映画だと思っても、いざ公開されたら誰も観てないなんてこともよくありますからね」と苦笑い。
また、「聖闘士星矢」のような人気作のキャラクターを演じる際には、原作ファンから期待と共に厳しい目も向けられることもあるが、ショーンは「できるだけ真実味を持たせてそのキャラクターを演じることが大切です」と語る。
「有名なキャラクターを演じる時、私は他の誰かが演じた役は見ないようにしています。なぜなら、観客がその人物を自然な存在に感じられるよう、自分なりに新しくアプローチする方が大切だと思っているから。歴史上の人物を演じる時もリサーチはしますが、歴史をコピーする必要はない。それはボロミアやアルマンを演じる場合も同じです。書かれた情報よりも、人の心を表現することに、役者としての自分が生かせる部分があると思っているんです」
そのうえでショーンは、『聖闘士星矢』の物語について「原作があることを知らずに脚本を読み、感情に訴える素晴らしい物語だと感じました。アルマン役にも魅力を感じましたし、後になって、ギリシア神話と日本のアニメ・漫画文化が融合した作品と知って、何てエキサイティングなんだとも思いましたね」と絶賛。
ファムケも「漫画やアニメを観て育ったわけではありませんが、星矢が自分の過去に向き合い、秘められたコスモを燃やして自己を実現していく姿に強く惹かれました。もともと男性のキャラクターであるグラード(3DCGアニメ版に登場)を演じるうえで、監督と彼女の内面の変化などを話し合いながら役を作れたこともとても嬉しかったです」と本作の魅力を熱弁すると「『X-メン』のようなシリーズに出られたことにとても感謝していますし、『聖闘士星矢』もそんな作品になればいいなと思っています。最高のスタントチームによるアクションも素晴らしい。きっと、皆さんの予想を裏切る展開も楽しめるはずなので心を開いて受け止めてほしいですね」と笑顔で語った。(編集部・入倉功一)