山寺宏一×加藤浩次×遠藤憲一、銀河救えるなんて「当たり前じゃねえからな!」ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー愛止まらず
マーベル・スタジオ映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』(全国公開中)の日本語版声優を務める、山寺宏一(ピーター・クイル/スター・ロード役)、加藤浩次(ロケット役)、遠藤憲一(グルート役)が、あふれんばかりの“ガーディアンズ愛”と共に、最高のラストと自負する最終章への思いを語った。
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超面白い!ギャップにノックアウト
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』は、ヒーローらしからぬはみ出し者チームが、銀河を救うために強大な敵に立ち向かうアクションアドベンチャー。『VOLUME 3』では、ガーディアンズの前に、銀河を完璧な世界に作り変えようとする最凶の敵ハイ・エボリューショナリーが出現し、チームの大切な仲間であるロケットに命の危機が迫る。
ガーディアンズのリーダー、ピーターの声を担当してきた山寺は、シリーズとの出会いを振り返り「マーベル作品のキャラクターを担当するのがうれしかったのはもちろんですが、1作目の冒頭で『I'm Not In Love』が流れた瞬間にびっくりしたんです。高校生のころに一番好きなアーティストは10ccだって言っていたくらい、僕にとっては思い出の曲。そんな高校生が世の中に何人いるんだっていう話ですが、そこでまず心をつかまれて、どんどん面白くなっていった。最高の作品だって思いましたね」としみじみ。
一方、持ち前の“狂犬キャラ”でロケットを演じてきた加藤は「1作目のポスターを見た時、何だこのB級映画は? と思ったんです。でも実際に観たら、やっべ、超面白ぇ! ってなりました。今思えばあのB級感はわざとで、ジェームズ・ガン監督が狙ったギャップだったんでしょうね。それが見事にはまっていた」と述懐。
「私はグルート」しか話せない樹木型ヒューマノイド、グルートを演じた遠藤も「俺はCGものが好きじゃなかったんだよね。だから初めは、名前しか言わない役ってどんな感じなんだって興味本位でやってみようと。だけど、出来上がった作品を観たらすごく工夫がこらされていて感心しちゃって。食わず嫌いだった自分が恥ずかしかったですよ」と明かすなど、それぞれが最初はイメージとのギャップにノックアウトされたようだ。
『ガーディアンズ』吹替秘話
日本語版声優には、山寺を中心に、ガーディアンズ並みの個性派メンバーが集結した。加藤は「最初は山寺さんの声を聞ける状態でアフレコさせてくださいとお願いしました。英語のセリフを聞いてやるのは本当に難しくて、山寺さんの声があるとすごくやりやすい。たぶん、(日本語版の)スタッフの方々も山寺さんを中心に作るのがいいと思っているんでしょうね」と“座長”に感謝。
また、シリーズを通して、一言のセリフだけで感情を表現してきた遠藤は「実は本当に難しい」と告白すると「(日本語版の)監督に言われた気持ちを作って、言葉にのせることに一番苦労したかな。けっこうアイデアが浮かんだりもするんですが、オリジナル版の演技をはみ出してもだめだから、やりすぎてはいけない。そういう役づくりが一番難しかった」と苦労を明かす。
そんな遠藤を尻目に加藤は「僕は楽をしているというか、(声を)変えなくていいって言われたんですよ。オリジナル版のブラッドリー・クーパーがけっこうドスの効いた声だったからそんな感じにしたら、普通にやってくださいって」と告白。
山寺は、そんな加藤の演技を「いや、充分ドスが効いていましたよ。加藤さんの場合はそれがぴったり。しかもどんどん進化していて、今回の『VOLUME 3』なんて、声を聞いた時に、こんな言い方でやるのかと思いました。とにかくリアルで、もうちょっと俺も頑張んなきゃって、刺激を受けました」と称賛すると、「だから今回はね、『銀河を救えるなんて、当たり前じゃねえからな!』って最後に言ってましたもんね」と突っ込み。
これには加藤も「いや、言ってないですよ(笑)。もちろん、そういう気持ちでアフレコはしていましたけどね? どんな現場でも、常に僕はそういう気持ちですから」と苦笑するばかりだった。
倒れてもいい…最終章のアフレコに全力
『VOLUME 3』の続投が決定した際、「心の底に沈んでいる狂犬をもう一回呼び戻して、アフレコしたい」とコメントを寄せていた加藤だが、今回は「狂犬感を取り戻す必要がなかったんです」と告白。「冒頭のシーンから、ロケット自体が今までと少し違う。え、こんなテンションから始まるの? ってびっくりすると思います」と明かすと、山寺も「これまではいろんな危機があっても、ノリで行こうぜみたいな部分がありましたけど、今回は全く違います」と続ける。
「今回は、ガーディアンズが大切な仲間の命を救うために戦うとなっていますが、まさにそうです。あんな表情のピーターは見たことがなかった。ピーター役のクリス・プラットさんも相当な思い入れで演じられたのだろうなと感じて、ひっくり返ってもいいと思って演じたシーンがありましたね」
寂しいけど…最高のエンド
1作目から約9年を経て完結を迎えるシリーズについて、「とにかく今回が素晴らしい内容だったので、一番のピークで終われることってかっこいいなと。僕は寂しさ半分、清々しさ半分という気持ち。とにかく良い終わり方だなって思います。ギャラクシーファンは納得の出来ですよ」と思いを明かす加藤。
「それは僕も同じです。面白い作品になりましたし、(今後)ジェームズ・ガン監督がやらないのであれば、つまらない『ガーディアンズ』は観たくないですしね」という山寺は「ただ、個人的にはピーター・クイルを演じていたいという思いはありますし、今回のプロモーションに参加しているメンバー以外の声優も本当にみんなぴったり。ドラックス役の楠見(尚己)さんなんて、あの声の迫力とアホさ加減が素晴らしいし、ガモーラ役の朴路美(「路」は「王へんに路」)さん、ネビュラ役の森夏姫さん、とにかくみんな素晴らしいので、もっともっとこのメンバーでやりたいって気持ちは正直なところです」と後ろ髪を引かれる思いをのぞかせる。
さらに遠藤も「僕はグルートのキャラクターが好きで、小さくなったりいろんな彼を演じて愛着もありますからね。個人的には寂しいです」と二人の言葉に同調するが、山寺が「でも遠藤さん、グルートだけのスピンオフドラマ(「アイ・アム・グルート」ディズニープラス配信)やってましたよね? 一人だけやってんじゃないですか」と突っ込むと、すかさず加藤も「あ、それ僕も出てますよ」と返答。山寺は、そんな二人をうらやみながら「ピーターは出てこないんですよ。うらやましいなぁと思って観ていたので、ぜひ、今後はピーターの物語も観られたらいいなと思ってます!」とさらなる物語に思いをはせていた。(編集部・入倉功一)