『BAD LANDS バッド・ランズ』安藤サクラ×山田涼介で映画化!特報も公開
安藤サクラ主演、Hey! Say! JUMP の山田涼介が共演する映画『BAD LANDS バッド・ランズ』が、9月29日に公開されることが決まり、ティザービジュアルと特報映像が公開された。
本作は、直木賞受賞作の「破門」や「後妻業」などで人間を突き動かす欲望を描いてきた作家・黒川博行による重厚な傑作小説「勁草(けいそう)」が原作。特殊詐欺を生業とする橋岡煉梨(ネリ)と弟の矢代穣(ジョー)は、ある夜、思いがけず“億を超える大金”を手にしてしまう。金を引き出すだけだったはずの二人に迫る様々な巨悪。二人はこの危険な地から逃れられるのか。姉のネリを安藤が、弟のジョーを山田が演じ、『検察側の罪人』や『関ヶ原』などの原田眞人が監督を務める。
初共演となる安藤と山田は、互いについて「本読みの時から矢代にぴったりだと思っていました。私と山田君でどんな化学反応が起きるのか楽しみです」(安藤)、「安藤さんがお姉ちゃん役と聞いた時に安藤さんだったら委ねられるな。安心してやらせていただこうと思いました!」(山田)とコメント。また、原田監督も「安藤サクラは世界の主演女優賞を全て差し上げたい名演です。また、切なく危険な若者を演じきった涼介の天才に私は魂を食いちぎられました」と絶賛している。
公開された特報映像は、ネリとジョーの会話から始まり、ネリの「ホンマもんの詐欺師にはなりとうない」というセリフを皮切りに、二人の様々な感情が駆け巡るように立て続けに映し出される。そして、徐々に上がっていく音楽のテンポに呼応するように、「ここは 悪い奴らの 天国で、地獄。」という文字と、覆面の男たちや警察、社会の裏側に潜む人間が交錯し、最後は拳銃を構えるジョー、そしてショットグラスに入ったアルコールを放るネリと続き、銃撃音で締めくくられるスピード感満載の映像になっている。
あわせて公開されたティザービジュアルは、ネリとジョーがある目的に向かって駆け出す瞬間が「そこは天国か地獄か。希望なんて、とうに捨てた。」というキャッチコピーとともに写し出され、二人の鋭いまなざしと横顔が印象的な疾走感あふれる仕上がりになっている。(高橋理久)
安藤をはじめ、山田、原田監督、原作者・黒川のコメントは下記の通り。
■安藤サクラ
自分の知らない世界だったので登場人物たちのキャラクターの魅力にとてもワクワクしました。山田さんは本読みの時から「あ、矢代だ!ぴったりだな!」と思っていました。私と山田君でどんな化学反応が起きるのか楽しみです。原田監督とは自分が思ったことを色々相談するようにしています。集中すべき時に集中して、 “自分らしくいる”という過ごし方ができるとてもメリハリのある現場で毎日楽しく過ごしています。色んなキャラクターの俳優さんたちが交わって、どのシーンも楽しく魅力的で観たことのない化学反応を起こしていきますので、是非ご期待ください。
■山田涼介
安藤さんは、実はたまたま一度、プライベートでお会いしたことがありました。すごく気さくな方で、お姉ちゃん役と聞いた時は安心感がありました。安藤さんだったら委ねられるな。安心してやらせていただこうと思いました。原田監督とは、一度映画でご一緒しましたが、毎日本当に緊張感があり、命を削っているような現場でした。どんなシーンでも緊張感がある現場というのは、なかなかなく、貴重な経験だと思って一生懸命やっていたので、またお声掛けいただいてとても嬉しかったですね。是非、ハラハラドキドキしたスピード感溢れる本作を楽しみに待っていて欲しいと思います。
■原田眞人監督
黒川博行さんの原作は2015年の発売直後に読みました。俗にいう「オレオレ詐欺」犯罪グループの内実がリアルに描かれていて、その世界観に惹き込まれ、監督目線で登場人物をあれこれ動かしたことを憶えています。実に刺激的な読書体験でした。その最大のポイントは、犯罪グループの元締めを補佐する立場の主人公橋岡を女性にしたらどうだろうということでした。例えば、ドストエフスキーの「虐げられた人びと」に登場するネリーを黒澤監督が「赤ひげ」に「包摂」したように。
ただ、私が手を挙げるのが遅かったために、映画化権は某社に渡っていました。辛抱強く6年待って、実現に漕ぎ着けたのは『ヘルドッグス』製作チームのおかげです。橋岡の性転換を心よく承知してくださった黒川さんにも感謝です。
理想のキャストも組めました。安藤サクラは「生きにくい」を「生き抜く」ネリーの魂の綱渡りを、橋岡ネリとして、美しく哀しく愛おしく舞ってくれました。世界の主演女優賞を全て差し上げたい名演です。原作の橋岡の疫病神的パートナーとなるサイコパス矢代穣は、沖田総司が現代に甦ったらこうなるのではないか、というコンセプトのもと山田涼介に参加してもらいました。沖田以上に切なく危険な若者を演じきった涼介の天才に私は魂を食いちぎられました。彼らを彩る関西演劇陣の濃厚なアンサンブルにも圧倒されます。一人一人紹介するのは公開間近まで待たねばならないのがとても残念。
沼津生まれのロスアンジェリーノ東京人の私が憧れ続けた「大阪弁フィルム・ノアール」はこの秋、世界に打って出ます!
■黒川博行
監督の名を聞いて、一も二もなく映画化に同意した。
名匠・原田眞人ーー。多くの作品をわたしは見ていた。『クライマーズ・ハイ』や『わが母の記』をはじめ、近作の『関ヶ原』や『検察側の罪人』、『燃えよ剣』は重厚にしてスケールの大きい傑作だった。あの原田監督がわたしの「勁草」をどんなふうに映像化してくれるのか、楽しみでしかたなかった。そこへ演じるのが安藤サクラと山田涼介、これも申し分ない。安藤さんのさわやかな個性と自然な演技は原作の犯罪性をきれいに掬いとってくれるだろうとわたしは期待し、山田さんとのコンビネーションもあいまって、期待以上のみごとな出来ばえになった。原作者として、ほんとうにうれしい。