「どうする家康」橋本さとし、濃い顔面の山県昌景は「百戦錬磨の凄み」意識
松本潤主演の大河ドラマ「どうする家康」(毎週日曜、NHK総合夜8時~ほか)で武田信玄の筆頭家臣で最高指揮官の山県昌景(やまがた・まさかげ)を演じた橋本さとしが、役づくりや11日放送の第22回「設楽原(したらがはら)の戦い」に向けた思いを語った。昌景を演じるにあたり意識したのは「そこに居るだけで百戦錬磨の凄みが出ること」だったという(※ネタバレあり。第22回の詳細に触れています)。
かつて劇団☆新感線に所属し、蜷川幸雄など舞台を中心にキャリアを積んだ熟練の橋本。近年では現在映画版が公開中の日曜劇場「TOKYO MER~走る緊急救命室~」の危機管理対策室室長・駒場卓役も話題を呼んだ。橋本にとって大河ドラマへの出演は2012年放送の「平清盛」(源為朝役)以来、2作目。演じる山県昌景は若い頃から信玄を支え、川中島合戦では最前線で指揮し上杉と対決。信玄より駿河侵攻を命じられ、家康を圧倒した。
~以下、ネタバレ含みます~
橋本は昌景役について「戦国最強武田軍の中でも筆頭に上がる赤備えの部隊を率いる猛将・山県昌景を演じるにあたり、まず意識したのは……何も言わずしてもそこに居るだけで百戦錬磨の凄みが出ることです。史実では140cmほどの小柄だったと言われていますが、きっと 184cmの私より大きなオーラを発していたのではないかと想像し、逆にデカい体と濃い顔面で臨みました」とアプローチを説明する。
徳川・織田連合軍と武田軍が激突した第22回の長篠・設楽原の戦いでは昌景の最期が描かれたが、橋本は昌景の決意について以下のように思いを巡らせる。「武力だけでなく知略にも長けていた戦のプロフェッショナルだった昌景は、決して負け戦はしなかったはずです。死を望んだのではなく、勝つ事への執着を捨て家臣としての忠義を果たす選択をしたのだと思います。設楽原の戦いでは決死の覚悟で騎馬隊で鉄砲に立ち向かって行ったのではないかと思われます。最後まで武士の誇りを貫き死す姿を演じる事が、猛将山県昌景への私なりの務めだと思いました」
「設楽原の戦い」の撮影について、橋本は武田勝頼を演じた眞栄田郷敦に触れながら「現場での眞栄田郷敦さん演じる勝頼があまりにも神々しく眩しく、武田軍の兵士の方々の気迫も凄まじく、『先陣を仕りまする!』と名乗り出るシーンは役者としても昌景としてもリンクして、覚悟と闘志に火がつくシーンとなりました」と振り返る。
阿部寛演じる信玄、橋本演じる昌景らビジュアル含め「強そう!」「濃い」と視聴者の反響を呼んだ武田軍だが、橋本は“チーム武田”メンバーと過ごした日々を「武田軍の撮影現場では、阿部寛さんの存在感を筆頭に、会話は最小限で其々が猛将に没頭していたという印象です。そのままの空気感が映像で伝わっていると思います」と述懐。
そして、信玄亡きあとも勝頼を支え、武田に尽くした昌景の生涯に「20歳の若さで信玄直属の部隊長に抜擢され、信玄への謀反に加担していた実兄・虎昌を密告するなど、相当武田家への忠義は熱かったと思います。それだけでなく、昌景討死の際に首級を的に奪われないよう家臣が持ち帰るほど、部下からも慕われていたのではないでしょうか。少しドラマチックになりますが……最期に天を仰ぎ見た先に信玄公を思い描きました」と思いを馳せた。(編集部・石井百合子)