大友克洋「童夢」からインスピレーション 北欧サイキックスリラー『イノセンツ』公開決定
ノルウェーの団地を舞台に、隠れた能力に目覚めた子供たちを描くサイキックスリラー『イノセンツ』が、7月28日から日本公開されることが決定した。監督は『わたしは最悪。』(2021/ヨアキム・トリアー監督作)でアカデミー賞脚本賞にノミネートされた映画監督、脚本家のエスキル・フォクト。団地や超能力という要素が大友克洋のSFコミック「童夢」を彷彿させるが、フォクト監督はまさに「童夢」からもインスピレーションを受けて本作を創り上げたという。
ある郊外の住宅団地。夏休みに知り合った4人の子供たちが、親たちの目の届かないところで隠れた力に目覚める。近所の庭や遊び場で、新しい力を試す彼らだが、やがて奇妙なことが起こりはじめ、彼らの無邪気な遊びに暗い影を落とす。
本作が長編二作目となるフォクト監督にとって、監督作品が日本で劇場公開されるのは初のこと。制作にあたり、『アナザーラウンド』(2020)などを手掛けた撮影監督シュトゥルラ・ブラント・グロヴレンにも「童夢」の世界観を意識するよう指示したといい、フォクト監督は、「大友監督の世界は非常にリアルでありながら、スタイリッシュ。作品作りにおいて非常にインスピレーションを得ました」と語っている。
ノルウェーのアカデミー賞と言われているアマンダ賞において、監督、撮影、音響、編集の4部門で受賞。アメリカの批評家サイト RottenTomatoes において、現時点で96%の支持を獲得。第74回カンヌ国際映画祭ある視点部門正式出品など、ジャンル映画の枠を越えた支持を得ている話題作が日本でも公開される。
公開決定に合わせて、主人公となる少年少女たちを捉えた場面写真も公開された。みんな幼く、一見すると無垢な子供ばかりだが、どのカットからも、超能力を秘めた彼らが抱える不穏な危うさを垣間見ることができる。(編集部・入倉功一)
映画『イノセンツ』は新宿ピカデリーほかにて7月28日より全国公開