東映元社長・手塚治さんお別れの会、井ノ原快彦、斉藤由貴、沢口靖子、東山紀之ら1,700人参列
今年2月に亡くなった、東映株式会社の元代表取締役社長・手塚治(てづかおさむ)さんの「お別れの会」が5日、セルリアンタワー東急ホテルで行われ、井ノ原快彦、北大路欣也、斉藤由貴、沢口靖子、舘ひろし、内藤剛志、東山紀之、吉永小百合ほか数多くの著名人を含む、約1,700名の参列者が訪れた。
遺影は手塚さんが代表取締役社長に就任した2020年6月、プロフィール写真用に本社会議室で撮影したものの中から選ばれた。用意された祭壇は、初夏を意識した樹木と故人が趣味としていたゴルフコースのフェアウエイとグリーンのイメージを併せて配置。祭壇の多くに使用された花(スプレーマム)は1本の茎から枝分かれしてスプレー状にたくさんの花を咲かせることが花名の由来であり、手塚さんの残した魂が東映グループ全体に広がり開花していくことへの願いが重ねられた。
また会場では、手塚さんの足跡をたどる15分間の映像を上映。映画青年だった高校生時代から、多くのヒットドラマを手掛けたプロデューサー時代を経て、社内外の改革にまい進した経営者としての姿を、写真や映像、関係者のインタビュー音声とともに辿るもので、南野陽子、沢口靖子、内藤剛志が語るエピソードや、手塚さんが手掛けた最後の作品となった『レジェンド&バタフライ』の大友啓史監督の談話、「我々の商売は『物語』をすることです」という本人のスピーチ、その遺志を継ぐ者として、現社長である吉村文雄のメッセージも収録。一生涯映画青年であった手塚さんの軌跡に敬意を表しつつ、その遺志を継いでいくという東映の決意表明も込められた。
吉村社長は、花形プロデューサーだった手塚さんとの出会いを振り返ると「凄みがある、というのでしょうか。にこやかな雰囲気を醸し出していても、何もかも見透かされているような、笑顔でばっさり切られそうな、そんな印象は当時も今も変わりません。その凄みは、逆に言うと、頼もしさでもありました。手塚さんは、頼もしかった。私にとっては信頼できる最高の上司であり、様々なことを教えていただける大切な先輩でもありました」と述べ、「手塚さんがこだわっておられた『ものがたりを作り続ける会社であること』という理念は、私が責任をもって引き継いでまいります」と決意を述べた。
また、会場で取材に応じた斉藤は「『スケバン刑事』という作品で初めてお会いしました。最後の最後までテレビのプロデューサーというよりご本人が俳優さんのような、少年っぽさをずっとお持ちの可愛らしい方っていう印象でした。今、こうしてご遺影を見上げて、素晴らしい人生だったんじゃないのかなと思うんです。自分の好きな仕事をやって、自分が創造した様々な作品、世界を作り上げて、そこのトップに登って、色々な現場を動かし、夢を持ち、駆け上がり、駆け抜けて。もちろん、短かったです。でも、私は、素晴らしい人生だったなと思って、『ほんとに良かったです、素晴らしい人生でしたね』って献花をしながら、心の中で申し上げました」と気丈にコメント。
また、井ノ原も「ちょっと時間が空くと、きさくに撮影現場に顔を見せてくださったりして、それが出演者にとっても、スタッフにとっても、とても安心感につながって。安心して現場でお仕事させていただける存在でした。この世界で生きている人よりも近く感じる瞬間があるというか、亡くなってしまったからこそ、近くにいてくれるっていうような存在に思える人たちがどんどん僕の周りに増えていく。それをネガティブじゃなくてポジティブに思っています。天国の手塚さんには、仲間たちの心の糧、心の支えになってくださいとお伝えしたいです」と前向きな言葉を寄せる。
さらに東山も「いつも制作が始まる時には顔を出していただいていました。下から静かに支えてくださる人柄でした。これまでずっと支えていただいていましたので、その志を引き継いで作品に取り組んでいきたいと思います。手塚さんに恥ずかしくないような作品を皆さんと共に作っていくというのは、僕たちの使命だと思っています。今は本当に安らかに天国で過ごしてほしいと願っています」と故人を偲んだ。(編集部・入倉功一)
参列した主な著名人は以下の通り。(五十音順)
俳優/浅野ゆう子、伊藤英明、井ノ原快彦、大路恵美、大西結花、上川隆也、金田明夫、岸部一徳、北大路欣也、久保田磨希、小林稔侍、斎藤暁、斉藤由貴、笹野高史、沢口靖子、高島礼子、舘ひろし、内藤剛志、中村由真、中山忍、橋爪功、半田健人、東山紀之、雛形あきこ、星野真里、松井誠、松下奈緒、松下由樹、松平健、三田佳子、山口香緒里、吉永小百合