『ブエノスアイレス』新録吹替版、1日限りの試写会開催 シネマシティ会員限定
ウォン・カーウァイ監督の1997年の映画『ブエノスアイレス』4KレストアUHD(UltraHD)Blu-ray&Blu-ray に収録された新録日本語吹替版の立川シネマシティ会員限定・1日限りの試写会が8月3日、19時より開催される(※試写会は Blu-ray での上映)。
トニー・レオン、レスリー・チャン演じる異国の地で喧嘩別れしたファイとウィン、チャン・チェン演じる台湾出身の若い男チャン、三人の男の関係を描いた本作。主人公ファイの吹替えを務めるのは、自身もカーウァイ作品のファンだという津田健次郎。ファイを悩ませ続ける奔放な元恋人ウィン役は内田夕夜。そして、ファイと出会い、未来への希望を感じさせる若者チャン役は小林親弘。
津田は本作に「20世紀の終わり、ウォン・カーウァイとクリストファー・ドイルが放つ空気はとにかくカッコ良かった。疾走する彩度の強い映像は目に焼き付き、詩的な言葉と空虚の向こうに感じる体温が心に沁みた。だが、時代の空気を纏った映画は時の流れに色褪せノスタルジーの彼方へ消えていくのかもしれないとも思った。時を越えスクリーンに映し出された映画は今も躍動していた。輝きは失われていなかった。それどころか、今の空気に触れることで新しい色も見せてくれた。ウォン・カーウァイとクリストファー・ドイルが放つ空気は今もカッコ良い。今回『ブエノスアイレス』の吹替えに参加させて頂くことをとても光栄に思います。鮮烈な映像の奥に揺れる体温を僅かでもお伝え出来ればと思います」とコメントを寄せている。
本作の特別試写会に、シネマシティ会員=シネマシティズン限定・抽選で170名を招待。応募期間は7月14日18:00から7月20日23:59まで、応募方法はhttps://ccnews.cinemacity.co.jp/buenos-aires_dub_jp_preview/にて確認。
内田、小林のコメントは下記の通り。(編集部・石井百合子)
内田夕夜(レスリー・チャン/ウィン役)
稽古の合間にイグアスの滝のランプを何度も検索しました。収録の前に日比谷公園のレスリー・チャンさんのベンチに行きました。収録の後にスタジオでスタッフさんと長々と話し込みました。触れていたく、離れ難い作品でした。あまりにも生々しい自分を聴かれる恥ずかしさもありますが、ウィン役の声優として関われた光栄が勝ります。ありがとうございました。一生忘れません。
小林親弘(チャン・チェン/チャン役)
『人が人を好きになることの豊かさや痛み』今よりずっと若い頃にこの映画を見たとき強く感じたことです。当時は見終わって暗い気持ちになったのを覚えています。しかし今は『人生の変化を受け入れて先へ進んでいくこと』という言葉が最初に浮かびました。どちらかといえば明るく前向きな気持ちです。あれからただいたずらに年齢を重ねてきただけの人生な気がしていましたが、この映画と再会して自分の内面にこんなに変化があったんだと発見することができました。ウォン・カーウァイさんの映画にはとてつもない没入感があります。今まさに出来事がそこで起きているかのような、不思議な魅力が。自分がこの作品に関われる日がくるなんて本当に光栄なことです。是非お楽しみいただければとおもいます。
あらすじ
南米アルゼンチンへやって来たウィンとファイ。ウィンの口癖は「やり直そう」。その言葉通り「やり直す」ための旅の途中、彼らは些細なことからまた諍いを起こし、喧嘩別れしてしまう。ファイは、香港までの旅費を稼ぐためブエノスアイレスのタンゴ・バーで働き出すが、そこに白人の男と連れ立ったウィンが訪れ、ことあるごとにしつこく絡みだす。ある夜、白人男に殴られ怪我を負ったウィンがファイの前に現れ、いつものように「やり直そう」と言うウィンにファイは答えられないまま、二人はずるずると一緒に暮らし始める。束の間の幸福を得たかに見えた二人だが、ウィンの怪我が治るに従って再び暗雲が。一方ファイは新たに得た食堂での仕事で、一人旅をしている台湾出身の若い男チャンと知り合う。子供の頃視力に問題を抱えていたチャンは声を聞けば人の気持ちがわかると言い、ファイは今幸せではないようだと語る。