「どうする家康」光秀役・酒向芳、緊迫の饗応シーン振り返る 岡田准一が助けに
7月16日放送の大河ドラマ「どうする家康」(NHK総合、毎週日曜よる8時~ほか)の第27回「安土城の決闘」では、武田攻めの功績を称えられた徳川家康(松本潤)が織田信長(岡田准一)に安土城で饗応を受ける場面が描かれた。本シーンで失態を演じた明智光秀役の酒向芳が、その舞台裏を明かすと共に、信長役の岡田准一の魅力について語った(※ネタバレあり。第27回の詳細に触れています)。
本作は、三河の田舎大名だった徳川家康が、さまざまな困難と向き合い重責を担い、極限の選択をしていくなか、江戸幕府を開くまでになった生涯を、『コンフィデンスマンJP』シリーズなどを手掛けた古沢良太のオリジナル脚本で描くストーリー。
酒向演じる明智は、信長に媚びへつらい、ライバルとなりえる人物には鋭い視線を向け失態を喜ぶような、姑息な人物として描かれている。
~以下、ネタバレを含みます~
そんな明智は、信長が武田攻めで活躍した家康をもてなすために安土城に招いた際、接待役を任される。滞りなく作業を進めていく明智だったが、鯉の料理を出したとき、家康はにおいに反応する。必死に否定する明智だが、信長は激怒。明智を蹴り倒し、滅多打ちにする。
酒向は信長演じる岡田と対峙したシーンを振り返り「わたしの殴られ方について、いろいろ意見してくださって。実際に当てるわけではないのですが、わたしは少し早くよけてしまっていたんです。すると岡田さんが“(タイミングが)少し早いです”と。カメラアングルなどを考えてしっかり見ているんですよね」と思い返し、「岡田さんはアクションを得意とされているので、アドバイスを受けてやってみると“なるほどな”と思うことが多くて。誰にでもしっかりと言えるところは、岡田さんの優れているところだと思います」と圧倒された様子だ。
続けて酒向は「年が上だからとか、キャリアがあるからとか、そういう部分で遠慮しない。僕も相手の方がたくさん作品に出ているからと言って、こっちの方が良くなるかもしれないのに遠慮して言わないというのは、違うと思うので」と岡田の姿勢を称賛すると、岡田が主演を務めた映画『最後まで行く』(2023)は面白かったと感想を述べる。
「これまで何度か岡田さんとは共演しているのですが、本作を含めて強い岡田さんしか見たことがなかった。でも『最後まで行く』は、これまで見たことがない、弱っている岡田さんを見ることができました。弱い岡田さんを見るのはわたしにとって、意外性があってとても面白かった。信長は強いですからね(笑)」
いよいよ翌週第28回は「本能寺の変」。酒向は「これまで描かれてきたような『本能寺の変』を、視聴者の皆さんは期待していないと思います」と語ると「信長にしても、家康にしても、秀吉にしても、どうなっていくのかを楽しみにしていただければ。きっといままでとは違う『本能寺』になっていると思います」と期待を煽っていた。(取材・文:磯部正和)