『マイ・エレメント』に日本映画『Shall we ダンス?』の影響!監督が明かす
ディズニー&ピクサー最新作『マイ・エレメント』のピーター・ソーン監督がインタビューに応じ、同作にインスピレーションを与えた映画の一つに周防正行監督作『Shall we ダンス?』があったと明かした。
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火、水、土、風のエレメント(元素)たちが暮らすエレメント・シティを舞台に、火の女の子エンバーと水の青年ウェイドという正反対の二人の恋を描いた本作は、ピクサー初のロマンチックコメディー。ロマコメ映画ファンだというソーン監督は「僕はロマンチックコメディーや恋愛映画をたくさん観て育ちました。母は映画が大好きで、韓国にいた子供時代に観たアメリカの映画を僕にたくさん見せてくれたんです。ゲイリー・クーパーの映画とか、『或る夜の出来事』とか、『フィラデルフィア物語』とか。大人になってからは、『マイ・ビッグ・ファット・ウェディング』も良かったです」と振り返る。
中でもソーン監督のオールタイムベスト10に入るというお気に入りの映画が、役所広司と草刈民代が共演した『Shall we ダンス?』だ。「あの映画からは本作のインスピレーションをもらいました。なぜなら同作では、ダンスの動きを通してキャラクターたちの心情を表現しているからです。ダンスの動きを通して、二人の間で起きているプラトニックな愛を示すことができています。主人公は既婚者ですが心の中で何かが起きており、あのダンサーと知り合ったことでそれまで知らなかった自分を知っていきます。あれは違ったタイプのロマンス。自分に何が欠けているのかを見つけ、埋めていく物語です」
確かに『マイ・エレメント』では火と水の特性を通して、セリフではなくその動きや揺らめきで、エンバーとウェイドの感情を雄弁に語っている。そして、それまで火のエレメントとしか交流のなかったエンバーは、性格も性質も正反対の水のウェイドに出会ったことで、一人では気付けなかった自分の可能性に気付くことになる。『Shall we ダンス?』とのリンクに思いをはせつつ、『マイ・エレメント』を鑑賞するのも一興だろう。
「僕の父は日本の下関で生まれました。僕たちはそこに行ったこともあり、僕は日本の文化や映画に愛着を持っています」と日本との関わりについて明かしたソーン監督。「本作は多くの映画からインスピレーションを受けていますが、『Shall we ダンス?』もその一つです。古い映画ではありますが、あの映画のユーモアやキャラクターからは大きな影響を受けました。それに『君の名は。』のようなアニメ映画や、現代の恋愛映画からも。僕たちがそんなふうに世界と、日本と、芸術を分かち合い続けられることを、とてもうれしく思います」とにっこり笑った。(編集部・市川遥)
映画『マイ・エレメント』は公開中