実写版『沈黙の艦隊』玉木宏、潜水艦映画に縁「なかなかそんな俳優いない」
俳優の玉木宏が24日、都内で行われた映画『沈黙の艦隊』の完成報告会と完成披露舞台あいさつに出席、主演を務めた大沢たかおとの共演を振り返った。
漫画家・かわぐちかいじの代表作を実写化した本作は、日米共同で極秘裏に建造された、日本初の原子力潜水艦をめぐる軍事サスペンス。シーバットに核ミサイルを積載し、乗員を伴って逃亡した艦長・海江田四郎を大沢が、海江田を追う潜水艦「たつなみ」の艦長・深町洋を玉木が演じる。壇上には2人のほか、共演者のユースケ・サンタマリア、中村蒼、水川あさみ、中村倫也、夏川結衣、江口洋介、吉野耕平監督、Amazonスタジオのジェームズ・ファレルも登壇。さらに、完成報告会には原作者のかわぐち、舞台あいさつには笹野高史も出席した。
潜水艦が登場する映画に出るのは3作目という玉木は、舞台あいさつで「なかなかそんな俳優はいないと思います」と照れ臭そうにコメント。「潜水艦というのは実際、海に出ると大変な空間だと思うんです。撮影で疑似体験しても閉塞的な空間だと思います。でもそんななか、外に出て少し談笑するだけで元気になれたりする。毎回、いいチーム感が必要なんです。今回も(たつなみの乗員を演じた)水川さんやユースケさんがいないと乗り越えられない環境だったなと思います」と回顧する。
水川もこの玉木の言葉に「狭い空間で、密だし、距離も近いし、中も狭いし、暗いし……。その中にいるとすごくシリアスな気持ちになるし、緊迫感もありました」と同調し、「でも、外に出てみんなと話すと、それがすごくいい助走になって、中に入るとまた頑張ることができるんです。ずっと『何食べようか』っていう話で盛り上がっていました」と笑顔で振り返った。
また、お互いにライバルのような存在を演じた大沢と玉木は、完成報告会で、共演シーンの舞台裏をにこやかに回顧。大沢は「乗る潜水艦が違うんです。だからほとんど一緒になっていないんですけど、1日だけ一緒になったんです。海の中で無線で話すシーンで、『録音を聞いて演技をすることもできるけど、生の声でやりたい』と(玉木から)呼び出されまして」と明かし、「玉木くんの潜水艦のメンバーを見た時に、みんなすごく厳しい、潜水艦乗りみたいな顔つきをしていて、我々も頑張らないといけないなという気持ちになりました」と振り返る。
一方の玉木も「乗る潜水艦が違うのでどれだけ一緒にできるのかなと思っていたら、わざわざ(大沢が)足を運んでくださって。大沢さんが生で声を合わせてくれたので緊迫感が出ました。すごく助かりました」とコメント。これに大沢は「僕が(同じような撮影で)呼んだ時は来てくれなかったけど……」とジョーク交じりにツッコミを入れ、会場の笑いを誘っていた。(取材・文:名鹿祥史)
映画『沈黙の艦隊』は9月29日より全国公開