齊藤工監督、窪田正孝に感謝「軽やかに再会しましょう」
齊藤工監督が2日、都内で行われた映画『スイート・マイホーム』（公開中）公開記念舞台あいさつに蓮佛美沙子、奈緒、窪塚洋介とともに出席。頸椎（けいつい）剥離骨折のため休養中の窪田正孝もリモートで参加し、齊藤監督は「ほぼ立ち上がりから今日まで、窪田さんが寄り添っていただいたおかげでゴールを迎えることができました」と窪田に感謝した。
第13回小説現代長編新人賞を受賞した神津凛子の小説を、俳優のみならず監督、プロデューサーとしても活動する齊藤工が実写した本作。念願の新居に引っ越した直後から、次々と奇妙な現象に見舞われる一家を描くホラーサスペンスとなっている。
スクリーンに窪田の顔が大きく映し出されると、窪塚たちから「進撃の巨人みたい」とツッコみが入り、ドッと沸いた場内。窪塚から「元気？」と声をかけられると、「元気です！」と笑顔で返答。蓮佛ら登壇者たちも「良かった」と安堵していた。
リモートで参加した窪田は本作の撮影を振り返り、「現場の時間はもちろんお芝居に没頭しているというか、その時間が楽しいというか、しあわせでした」としみじみ。「芝居中じゃない時に話していたんですが、その時間もすごく有意義で。この作品で出会えた縁は財産だなと思いました」と振り返る。そんな現場の様子を窪塚も「すごくアットホームな現場だった。途中でホラー・サスペンスを撮っているんだということを忘れるくらい」と証言。
蓮佛も「正さん（窪田）が醸し出してる空気感もそうだったんですが、今回の現場は本当に優しい人しかいなかった」と言い、「わたしは個人的に正さんの“ありがとう”の言い方に感激していたんです」と述懐。「例えば誰かにものを取ってもらった時、ヘアメイクさんにメイクを直してもらった時。いろんな場面でわたしたちが反射的に“ありがとう”と言っているわけですけど、正さんは本当に心から“ありがとう”と思って言っている。それに感動してしまって、見習わなきゃないけないなと思った」と窪田の現場での様子に感銘を受けた様子。それゆえ、「なんでこんな優しい人たちと一緒に、こんな映画を撮っているんだろうと。逆にクラクラしてしまうくらい、心が浄化される日々でした」と付け加え、会場を沸かせた。
齊藤監督といえば、近年ハマっているという“腸活”に言及する機会が増えている。本作の撮影時もそうだったようで、奈緒も「この現場で優しくなれたのは腸のおかげだと思っています」と感謝のコメント。「最初に監督がオリジナルの腹巻きをプレゼントしてくださったんです。それをつけて現場に行くと、おなかがあったかくなって。すごく優しい気持ちになるんです。日本で一番腸内環境がいい現場でした」と振り返った奈緒。齊藤監督も「いわゆるスタッフTシャツみたいな、座組のグッズとして配ったんです。僕は何より、皆さんの腸を守りたかったんです」と満足げな様子。そんな監督の心遣いに窪塚も「本当にあったかくて。いまだに大事に使わせてもらっています。たぶん今、窪田も（腹巻きを）つけていると思います」と冗談めかして盛り上げた。
窪田のキャスティングは肝だったと語る齊藤監督は、「ほぼ立ち上がりから今日まで、窪田さんが寄り添っていただいたおかげでゴールを迎えることができました。それは本当にうれしいですし、心から感謝しています」とあらためて窪田に感謝。さらに「窪田さんは責任感が強い方なので軽やかに過ごしていただいて。現場でお会いできることをスタッフ、キャストともに願っております。どうか軽やかに再会しましょう！」と呼びかけた。
一方の窪田も「やはり財産として残るのは人とのつながりなんだというのを、作品を通じて感じられました。この作品を観てもらえて、新しいつながりが生まれたりして。そうやって映画ってつながっていくのかなと思いましたし、僕にとっても生涯忘れられない作品になりました」と感慨深い様子で作品への思い入れを語っていた。（取材・文：壬生智裕）