『名探偵ポアロ』原作と異なる舞台設定 アガサ・クリスティーひ孫も認めるケネス・ブラナー流アレンジ
ケネス・ブラナーが監督&主演を務め、作家アガサ・クリスティーの人気ミステリー小説を実写化した、『オリエント急行殺人事件』『ナイル殺人事件』に続く映画シリーズ最新作『名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊』。名探偵ポアロが登場する原作シリーズを読破しているケネス監督が、原作小説をアレンジした独自の設定について語った。
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映画の原作は、ポアロシリーズ(全33作品)の31作目となる「ハロウィーン・パーティ」。ハロウィーンのパーティーで殺人現場を目撃した少女が殺されたことをきっかけに、名探偵ポアロが殺人の真相に挑む。小説の舞台はイギリスだが、映画では“水の都”として知られるイタリア・ベネチアに設定が変更されている。
ケネス監督は「『ハロウィーン・パーティ』の舞台はイギリスだったが、私はこの物語の舞台をベネチアのような都市に移すことにしたんだ。ベネチアはエキゾチックであり、ゴシック的で、神秘的。ベネチアは本作と同じようにとても印象的で影に満ちているから、ロケーションとして適していたんだ」と設定変更について解説。子供の霊が出現するという降霊会を舞台に、ポアロが不可解な死を遂げた招待客の謎を解明していくストーリーと同様に、「ベネチアは本作と同じように影に満ちている」と語った。
緻密な人間ドラマを得意とするケネス監督は、過去作で原作に存在しないポアロの友人を登場させたり、ポアロが殺人を強く憎む理由を掘り下げるなど、名探偵の人間らしい弱さや優しさを描いてきた。ケネス監督ならではの大胆アレンジでつづられる物語について、製作総指揮を務めるクリスティーのひ孫ジェームズ・プリチャードは「ケネスは、私の曾祖母が決してやらなかったような深みをポアロに持たせてくれた。つまり曾祖母は、彼の心理状態には触れなかった。だがケネスたちはもっと深く、彼の生い立ちや、何が彼をこうさせたのかを掘り下げている。とても興味深い描写だよ」と絶賛している。(編集部・倉本拓弥)
映画『名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊』は9月15日全国公開