門脇麦「なんでこんなにひどいことを…」 撮影前は役柄に疑問
女優の門脇麦が9日、新宿ピカデリーで開催された主演映画『ほつれる』(公開中)公開記念舞台あいさつに登壇し「映画好きな方には今年外せない邦画になったのかな」と自信をみせていた。舞台あいさつには田村健太郎、染谷将太、加藤拓也監督も参加した。
本作は、第67回岸田國士戯曲賞を受賞するなど演劇界で注目を浴び、「きれいのくに」(2021・NHK)などテレビドラマの脚本も手掛ける演出家・加藤拓也監督のオリジナル脚本による長編監督映画第2作。ある出来事をきっかけに、夫や周囲の人々、そして自分自身と向き合っていく女性・綿子(門脇)の姿を追う。
台本を読んだ際に門脇は「面白すぎて出演するという視点よりも、本として読んだ」と物語に引き込まれたことを強調するが、撮影前に2週間のリハーサルを行っていた最中に「わたし、綿子のことが好きじゃないかもしれない。なんでこんなにひどいこと言うんですか」と加藤監督に疑問を投げかけたという。
やや共感しづらいキャラクターを演じたという門脇。仲が冷え切った夫・文則役の田村も「撮影中は息が詰まりました。作品を観ていただくと分かりますが、(綿子が)冷たいんですよ」と嘆くが、門脇は「タムケン(田村)さんは本当にいいお兄ちゃんで、カットがかかると楽しく話してくれました」と、劇中での関係とは裏腹に和んだ撮影だったと振り返る。
また門脇は、綿子の親友・英梨役の黒木華との共演について「黒木さんとは初めての共演だったんです。親友の関係だったので、嘘っぽく見えてしまったらどうしようとドキドキしていたのですが、本当に前から友達だったかのように接してくださって、初めてとは思えなかった。一方的かもしれませんが、わたしはすごくやりやすかった。本当に素敵な女優さんで、共演できて良かったです」と振り返っていた。
門脇は「映画好きな方には、今年外せない邦画になったのかな」と自信をのぞかせると「昨今、分かりやすいテーマの作品が多い。そういう作品もわたしは大好きですが、『ほつれる』のような作品が、こんなに大きなスクリーンで公開されることがとても嬉しいです」と笑顔で語っていた。(磯部正和)