「異人たちとの夏」の再映画化、来春公開!現代イギリスを舞台にアレンジ
1988年に大林宣彦監督によって映画化された山田太一の長編小説「異人たちとの夏」を再映画化する『異人たち』が来春、日本で公開されることが決定した。現代のイギリスを舞台にアレンジした英語作品で、『荒野にて』(2017)、『さざなみ』(2015)などのアンドリュー・ヘイ監督がメガホンをとり、キャストにアンドリュー・スコット、ポール・メスカル、ジェイミー・ベル、クレア・フォイらが名を連ねる。併せて、ティザービジュアルも公開された。
原作は「岸辺のアルバム」「ふぞろいの林檎たち」「ありふれた奇跡」など数々の名作ドラマを手掛けてきた脚本家、作家・山田太一の1987年に出版された小説。第1回山本周五郎賞を受賞し、2003年には英訳され海外でも刊行された。1988年に大林宣彦監督が風間杜夫、名取裕子、永島敏行らを迎えて映画化し、大ヒットを記録。妻子と別れ孤独な毎日を送っていた人気脚本家の主人公が、幼いころに亡くなった両親と再会するひと夏の奇妙な体験を描くもので、主人公の両親を演じた片岡鶴太郎、秋吉久美子が日本アカデミー賞やブルーリボン賞など多くの映画賞で助演賞に輝いた。また、度々舞台化もされている。
アンドリュー・ヘイ監督版の原題は、『All Of Us Strangers』。夜になると人の気配が遠のく、ロンドンのタワーマンションに一人暮らす脚本家アダム(アンドリュー・スコット)は、同じマンションの謎めいた住人、ハリー(ポール・メスカル)に出会い、ありふれた日常に変化が訪れる。ハリーとの関係が深まるに従って、アダムは遠い子供の頃の世界に引き戻され、12歳の時に交通事故で亡くなった両親(ジェイミー・ベル、クレア・フォイ)が、そのままの姿で目の前に現れる。想像もしなかった再会を経てアダムは安らぎの時を過ごすが、その先には思いもよらぬ世界が待ち受けていた。
ティザービジュアルは、大都市のタワーマンションと孤独な住人たちのシルエットを捉えたデザインとなっている。なお、本作は8月31日(現地時間)にアメリカ、テルライド映画祭でワールドプレミアとして上映された。(編集部・石井百合子)