『シング・ストリート』監督8年ぶりの新作映画がチャーミング!音楽がつなぐ若き母親&息子を描く
第48回トロント国際映画祭
『シング・ストリート 未来へのうた』(2015)以来8年ぶりとなるジョン・カーニー監督の映画『フローラ・アンド・サン(原題) / Flora and Son』のインターナショナルプレミアが、第48回トロント国際映画祭で行われた。『ONCE ダブリンの街角で』『はじまりのうた』などでも知られるカーニー監督が、十八番の音楽映画で再びチャーミングな物語を紡いでいる。
アイルランドのダブリンを舞台に、破天荒な若きシングルマザー・フローラを主人公にした本作。14歳の息子にギターを贈るも拒絶されて仕方なく自分用にしたフローラは、ロサンゼルスに住むギタリスト・ジェフ(『インセプション』のジョセフ・ゴードン=レヴィット)のオンラインレッスンを受けることに。ギターや音楽について一から学んでいく中で、実は作曲に興味があった息子との関係も変化していくことになる。
イケメン・ジェフを大っぴらに口説くなど率直で悪びれず、生命力にあふれたフローラがとにかく楽しくて魅力的。U2ボノの娘で、『きっと ここが帰る場所』や『フッド:ザ・ビギニング』などの女優イヴ・ヒューソンの好演が光っており、そのカリスマ性は疑いようがない。チャーミングな楽曲の数々も耳に心地よく、音楽によって再び心を通わせる母と息子の物語は、観る者の心を温かくする。(編集部・市川遥)
第48回トロント国際映画祭は現地時間9月17日まで開催