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永山瑛太『ミステリと言う勿れ』我路役は視聴者の反応も原動力に

永山瑛太
永山瑛太 - 写真:杉映貴子

 田村由美の累計発行部数1,800万部を突破する漫画を実写化した月9ドラマを映画化する『ミステリと言う勿れ』が公開中だ。菅田将暉演じる天然パーマの大学生・久能整(くのう・ととのう)が、おしゃべりだけで事件の謎と人の心を解きほぐしてしまうミステリーで、見逃し配信の再生回数が2022年の放送当時に民放ドラマ歴代1位を記録し、多くのテレビドラマ賞を受賞する大反響を巻き起こした。本シリーズで整と互角に対峙し、奇妙な友情関係を結ぶ犬堂我路(いぬどう・がろ)を演じているのが永山瑛太だ。劇場版にもキーパーソンとして出演している彼が、作品について、我路について、そして菅田に対しての思いを明かした。

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 永山演じる我路は、ドラマの初回終盤で予告なしにサプライズ登場。X(旧Twitter)で「ガロくん」「瑛太さん」が上位にトレンド入りするなど大きな反響を呼んだ。永山に「ミステリと言う勿れ」という作品のどこに魅力を感じて参加を決めたのかを聞くと、「菅田将暉ファンだからです」ときっぱり。「彼は天才です。天才は理屈じゃないです」と続け、「菅田くんが演者として世に登場してから、いろいろな作品を観せていただいていますが、すごく気持ちよさそうにお仕事をされていると思いました。抑圧されない生き方をされている感じがしますし、柔軟性がありながらも芯の強さをすごく感じます。特別感のある俳優さんだという印象を受けました」と印象を語る。

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映画『ミステリと言う勿れ』より菅田将暉演じる整くん (C) 田村由美/小学館 (C) 2023 フジテレビジョン 小学館 TopCoat 東宝 FNS27社

 永山はファッション誌「GINZA」の連載で自らがカメラマンとなって俳優、ミュージシャン、格闘家、写真家など多分野で活躍する人々を撮影し、昨年1月には写真集も刊行されたが、その企画のきっかけも「菅田くんが撮りたかったから」だそう。「そのときが初めましてだったんですが、彼がどういう顔になっていくのかを見たいと思って、お願いしました。菅田くんの方が年下ですけど、全然そんな感じはなく、年齢やキャリアを感じさせずに俳優同士、人間同士として向き合ったときに安心します。不思議な包容力があるんです」と絶賛。その際に再会を約束し、満を持して今作のドラマで芝居での初共演を果たした。

 今年だけでも映画『怪物』(公開中)、『福田村事件』(公開中)、『アンダーカレント』(10月6日公開)など出演作の公開が相次ぎ、10月からは吉岡里帆と共演のドラマ「時をかけるな、恋人たち」(カンテレ・フジテレビ系、10月10日スタート、毎週火曜夜11時~)が始まる。多彩な役柄にチャレンジしているが、作品選びは「監督や共演者にご一緒したいと思っていた方がいたり、人が大きいかもしれません」と話す。今作への参加の動機が菅田だったと語るのもうなずける。もちろん、スケジュールやその作品に集中できるかどうかも重要だが、永山は“人”との縁を大事にしているのだ。

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 ドラマ「ミステリと言う勿れ」の撮影現場で初めて菅田演じる整を目にしたときの印象を「現場に行ったら、整くんが3Dでそこにいました」と振り返る永山。「ですから僕は、我路として違和感なくストーリーの中にいられた。これは面白くなるだろうと思いました」と作品の手ごたえを語った。だが、我路というキャラクターは神出鬼没で、どこかファンタジックな存在。自身も原作から「あまり躍動していない、心が見えてこないイメージ」を感じ取ったといい、「人間味みたいな表現の幅をどこまで広げるかは、監督やスタッフのみなさんとお話しました」という。具体的には「内で考えていることをどのくらいの温度で出すのかは、いろいろ試しました。身体の動きを制限して繊細に動くのが、我路の特徴です」と役へのアプローチ方法を明かした。

永山瑛太演じる人気キャラ、犬堂我路 (C) 田村由美/小学館 (C) 2023 フジテレビジョン 小学館 TopCoat 東宝 FNS27社

 金髪に黒ずくめの服といったインパクト大の外見に関しては「僕から何かを発信したというのはないです。もう、言われるがままでした」と笑う。プロデューサーやスタッフが綿密に打ち合わせしたであろうその意向と、原作ファンの思いを重視した。「我路の場合、客観的にどう見えるかが大事な気がしていて。深く考えなくても、あの扮装でそこに立つと、自然に背筋が伸びて我路になっていました」とビジュアルが演技面にもたらす影響を強調。

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 今年4月期にフジテレビ系木曜劇場枠で放送されたハルノ晴の漫画に基づく「あなたがしてくれなくても」では妻との“レス”問題を抱える30代の男性を演じ、話題を呼んだが「すごく人気がある原作の場合、そのイメージを『裏切ってやろう』とは思わない。ある制限がかかる感じがあります」と原作のある作品に臨む際のスタンスを語る永山。多くのファンがいればいるほど「賛否両論が生まれるのは当たり前。でも、そこが面白さでもあります」と前向きだ。

 SNSなど視聴者からの反応に対して、捉え方は俳優によってさまざまだが、永山は「全部プラスにしていっています。『こういうところが気になる』という意見があったら、『そこに引っかかったのか』って手ごたえがあるわけですよ。それが、こちらからの仕掛けとして、計算して作っている個所だったりしたらニンマリしますよね」と語り、「ネガティブ要素のあるコメントこそ、ある意味、原動力にしているところがあります。そこに引っかかるなら、もっと引っかけてやろうって思う」とも。

 「そうじゃないと俳優になった意味がないです。人前に出る仕事をしている以上、ちょっと悪口を言われたくらいで落ち込んでいられない。僕らのやっていることは芸術のひとつだから、世の中にどう響くか、何がフックになるのかを試している部分もあります。反応が薄い場合は興味も持ってもらえてないってことですから、悪く言われたり引っかかりがあるのは、むしろ本望です」と語りつつ、「でも、どう言われてもいいということではないですよ。ムカついたり、『その言葉の使い方(はどうなのか)!』って思うことはあります」と笑った。

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 ドラマでは、我路は殺された妹・愛珠(白石麻衣)の死の真相にたどりついておらず、原作でもすべては解明されていない。今後の展開への期待を問うと、「どうなんですかね。僕は、そのあたりはわからないです。映画の現場で田村先生とお話させていただいて、いろいろ考えていらっしゃるのは伺いましたけど、当然教えてはいただけないですから(笑)。個人的な希望としては、せっかくなら整くんと一緒のお話が作れたらとは思いますけど。期待してます!」と笑顔を浮かべ、どこまでも菅田愛が爆発していた。(取材・文:早川あゆみ)

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