山下智久、飢餓状態に追い込み「味覚や嗅覚が敏感に」ストイックな役づくり告白

　俳優の山下智久が4日、フランス大使公邸で行われた海外ドラマ「神の雫/Drops of God」（全8話）の配信記念記者発表会に出席し、飢餓状態に追い込んだというストイックな役づくりを振り返った。この日は、フィリップ・セトン駐日フランス大使、原作者の亜樹直（樹林ゆう子、樹林伸）、製作総指揮のクラウス・ジマーマンも参加した。

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　原作は、ワインブームに火を付けた人気漫画「神の雫」（作：亜樹直、画：オキモト・シュウ／講談社）。ドラマでは、物語の中心を担う男性キャラクター・神咲雫をフランス人女性のカミーユ（フルール・ジェフリエ）に置き換え、雫のライバルであるワイン評論家・遠峰一青（山下）を主人公に設定するなど、独自のアレンジが加えられた。

　海外ドラマ初主演の山下は「僕自身、フランスで撮影できた『神の雫』を改めて紹介させていただく機会をいただき、うれしく思います。短い時間ですが、最後までよろしくお願いします」とあいさつ。製作総指揮のジマーマンも「初めの段階では、日仏共同製作ということもあって、この企画は困難なこともありました。しかし Hulu Japan に話をしたら即決で話に乗ってくれた。パートナーとしてすばらしい信頼関係を築けたと思います」と晴れやかな表情を見せた。

　フランスでもファンが多い原作について、樹林は「フランスに取材に行くと、文化や感性などの面で日本とフランスは似ているんじゃないかと思っていました。共通点が多いんじゃないかと思いました」と分析。一方の樹林伸も「完成したドラマを見て勉強になりました。マンガで描いていなかったところがけっこう出てきて。そこが刺激になりましたし、本当にいいドラマになったと思います」としみじみ語る。

　海外作品に引っ張りだこの山下だが、本作に入る前には不安もあったという。「言葉も違う、カルチャーも違うところに飛び込むことに不安もありましたけど、いったん現場に入ったら温かく迎え入れてくれた。朝はハグとキスから始まりますし、フランスには一人で滞在していたんですけど、スタッフの皆さんに励ましてもらいながら、背中を押してもらいながら、撮影できたことが印象に残っています。そして週末は必ずみんなで食事に行ったり、ワインを飲んだり、家族のようにいい関係を築くことができました」と振り返った。

　ワイン評論家を演じるにあたり、山下は実際にワインの研修を数十時間にわたって受けたり、フランスのレストランを巡ったりと、ワイン中心の生活になっていた。「人生で一番ワインを飲んだ撮影時間でした。だからワインに恋をしてしまい。日本でもセラーを購入して集めています」

　役づくりとして、撮影期間はダイエットを行ったという。「今回は特殊能力のようなものを持つカミーユと（世界最大のワインコレクションをかけて）戦う役なので、それに負けないようにするにはどうしたらいいか、監督と話しました。なのでカロリー制限をして、飢餓状態にして自分を追い込んでいました。そうすると味覚や嗅覚が敏感になるので。撮影期間中はダイエットをしていたので、ワインで糖分を摂っていました」とそのストイックな役づくりについて明かした。

　フランスのソムリエ協会「Union de la Sommellerie Francaise」は、協会に所属するソムリエに「マスター・ソムリエ」を授与・表彰している。この日は、「神の雫」を成功に導き、ワイン・テイスティングという文化を広めた山下と、原作者である亜樹直の功績をたたえ、「名誉マスター・ソムリエ」を授与することに。この称号を日本人が受けることはもちろん、フランス国外で授与されるのも今回が初となる。

　名誉マスター・ソムリエの認定証を受け取った山下は、「とても光栄なことですし、自分もこういう賞に恥じることなく、さらにワインの知識、探究心を持って、日本とフランスのいい架け橋になれるよう、引き続き勉強をしていきたいなと思います。感謝の気持ちでいっぱいです」と感激の表情を見せた。（取材・文：壬生智裕）

ドラマ「神の雫/Drops of God」第4話までHulu独占配信中（全8話・毎週金曜日に新エピソード追加）