役所広司&小栗旬&杏&滝沢カレン『窓ぎわのトットちゃん』に声優出演 トットちゃん取り巻く重要キャラ役
黒柳徹子の自伝的小説をアニメーションで初めて映画化する『窓ぎわのトットちゃん』(12月8日全国公開)の声優キャストとして、役所広司、小栗旬、杏、滝沢カレンの出演が決定した。
1981年に出版された原作は、第二次世界大戦が終わりを迎える少し前の激動の時代を背景に、落ち着きがないことを理由に通っていた小学校を退学になってしまったトットちゃん(=黒柳)のおちゃめな日常生活を描いた物語。映画は『劇場版ドラえもん』シリーズなどの八鍬新之介が監督を務め、オーディションで選ばれた7歳の子役・大野りりあながトットちゃん役を務める。
発表された4人は、トットちゃんを取り巻く重要なキャラクターを担当。ドラマ「VIVANT」出演も話題となった役所は、トットちゃんが通うトモエ学園の校長を務める小林先生に声を当てる。転校前の学校で「困った子」と言われ落ち込むトットちゃんに手を差し伸べ、自校の生徒として迎え入れる。学園内に電車の教室を設置するなど独自の教育方針を持ち、生徒たちを導く。
今年公開の実写映画『キングダム 運命の炎』にも出演した小栗と杏は、トットちゃんの両親を演じる。トットちゃんパパ(小栗)は、一家の大黒柱として家族を守りながら、ヴァイオリン奏者として心血を注ぐ。トットちゃんママ(杏)は、トットちゃんのお転婆な性格と行動力に心配事が絶えない日常を過ごしながらも、のびのびとした人生へと導くために寄り添う存在だ。
また、公私共に黒柳と関係を築く滝沢は、トットちゃんの担任・大石先生役を担当。個性豊かな生徒たちと一緒に成長していく大石先生を、明るく愛情たっぷりに演じる。
役所、小栗、杏、滝沢のコメント全文は以下の通り。(編集部・倉本拓弥)
役所広司(小林先生役)
声の仕事は本当に難しいので躊躇しましたが、台本を読ませて頂きとても感動しましたし、戦争というものを子どもたちがどう感じていくのかは普遍的なテーマでありますから、やはりこういったお話は沢山の方に観て頂きたいなと思い参加をしました。妻の母親が小林先生にリトミック体操というのを教わった経験があり「素晴らしい先生だ」という話はよく聞いていました。お会いしたことはありませんが、以前から小林先生を存じ上げていたので今回演じさせて頂くことを、非常に光栄に思っています。この作品は戦争というものについてあらゆる痛みを伝えてくれる物語になっていると思います。子どもから大人まで皆さんが楽しめますし、本当にメッセージが伝わる素晴らしいアニメーションになっていると思います。是非、劇場で観てください。
小栗旬(トットちゃんのパパ役)
黒柳さんとお話した際に、「当時は日本で一番のヴァイオリニストだったと言われていた父です」と伺ったので、芸術家としての雰囲気を出せたらいいなと思い演じました。僕もトットちゃんと同じように小学生の時に、厳しさの中にも優しさがあって、しっかり向き合ってくれる素敵な先生と出会いました。ご覧頂く方々にも「こういう出会いが起きたらいいな」と感じてもらえると嬉しいです。黒柳さんは様々な経歴をお持ちで、人生を謳歌されているイメージがあります。黒柳さんの持つパワフルな部分であったり、エネルギッシュな部分であったり、好奇心旺盛な部分であったりがものすごく詰まった作品になっていると思います。想像しているよりも、より素敵なアニメーションの世界観で表現されていると思いますので、是非ご期待ください。
杏(トットちゃんのママ役)
黒柳さんとは家族ぐるみでお世話になっておりますので、オファーを頂いて嬉しかったです。トットちゃんのお転婆な姿や、ママ・パパの姿が映像になることが楽しみですし、何より自由が丘の街並みや電車の風景など、古き良き日本が表現されているので、当時にタイムスリップしたような気持ちになれるのではないかと思います。原作はもちろん子どもの頃から読んでいました。大人になって、また親になってから読み返すことで周りの大人たちの姿が見えてきて、「この方たちのようなことを言える大人になりたい」という視点を持ちました。世界中のベストセラーで恐らく読んだことがある方も相当多くいらっしゃると思います。もちろん原作を知らない方でも楽しんで頂けますし、原作を知っている私も「こんなことが本当にあったんだ!」と感じられました。学校の中に電車を置くなど独特で最先端な考えをお持ちの小林先生の教育方針が映像化されることに感激しましたし、またどこかにトモエ学園が復活しないかなと思ってしまいました。子どもたちや子どもたちを囲む大人の方々には是非、観て頂きたいなと思います。
滝沢カレン(大石先生役)
オファーを頂いた時は嘘かと思いましたし、私の人生の中で信じられない現実のひとつに入りました。すごく大好きで、家族全員が憧れている徹子さんが歩いてきた人生の物語の中に自分が入れることが本当に嬉しいです。徹子さんの物語を最高のものにしたいという想いで大石先生を演じさせて頂きました。
映画の台本を読ませて頂いた際に最後のページは涙なく読めなくて辛くなってしまう部分もありましたが、明るいだけじゃないというところがまさに人生のようで、私にはすごく響きました。徹子さんの歩んできた人生が1ページ1ページになっていて、それがアニメという目に見える形になって私たちの前に出てきてくれるスペシャル大サービスなお話だと思います。観にいらっしゃる方々のご年齢や環境、自分が喜怒哀楽のどこの部分にいるのかで本当に全然違う物語になってくると思いますし、そこに徹子さんの喜怒哀楽も入ってくるので、映画館を出た後は自分が4つの感情で当てはめていたもの以上の色々な感情を持って帰ることができると思います。
私は生きる楽しさや生きているからこそできること、そして勇気をもらえました。みなさんにもこの作品をご覧になって、明日への楽しみや幸せと出会ってもらえたら私も幸せだなと思います。