『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』上々の2位デビュー!スコセッシ監督作で歴代3位の出足
全米ボックスオフィス考
先週末(10月20日~10月22日)の全米ボックスオフィスランキングが発表され、レオナルド・ディカプリオとマーティン・スコセッシ監督が6度目のタッグを組んだ映画『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』が興行収入2,325万3,655ドル(約35億円)で2位デビューを果たした。(数字は Box Office Mojo調べ、1ドル150円計算)
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スコセッシ監督作としては『シャッター アイランド』(2009)、『ディパーテッド』(2006)に次いで歴代3位となる上々のオープニング興収。海外でも2,100万ドル(約32億円)を上げており、世界興収は4,425万3,655ドル(約66億円)となっている。全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)のストライキでレオ、ロバート・デ・ニーロをはじめとした豪華キャストが一切プロモーション活動を行えなかったことを考えると、素晴らしい成績といえる。
デイヴィッド・グランの犯罪ノンフィクションを基に、石油利権によって世界有数の富を手にしたアメリカ先住民族・オセージ族の財産に目をつけ、彼らを巧みに操り、脅し、奪える限りの財産を強奪し、殺人にすら簡単に手を染める白人たちの姿を映し出した本作。批評家及び観客の評価も高く、息の長い興行が期待できるだろう。初日の観客の44%が30歳以下であり、若い世代の関心も引くことができたのが勝因の一つだ。
なお、手掛けたAppleにとって、このレベルでオリジナル作品を劇場公開するのは初めての試み(配給パートナーはパラマウント)。Appleの作品では、今後もリドリー・スコット監督×ホアキン・フェニックス主演の『ナポレオン』(配給パートナーはソニー・ピクチャーズ)、マシュー・ヴォーン監督のスパイ映画『アーガイル(原題) / Argylle』(配給パートナーはユニバーサル)と話題作の公開が予定されている。Appleは『コーダ あいのうた』で配信系として初めてオスカー作品賞を受賞するという快挙を達成しており、『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』を皮切りにオリジナル作品でも映画界で存在感を見せていく。
テイラー・スウィフトのコンサート映画『テイラー・スウィフト:THE ERAS TOUR』は、興収3,320万9,039ドル(約50億円)で2週連続の首位を獲得した。累計興収は1億3,199万7,540ドル(約198億円)となり、史上初めて国内興収1億ドル(約150億円)を突破したコンサート映画となった。5位には、公開30年で再上映されたアニメーション映画『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』がランクインした。(編集部・市川遥)
10月20日~10月22日の全米ボックスオフィスランキングは以下の通り。()は先週の順位。
1(1)『テイラー・スウィフト:THE ERAS TOUR』
2(初)『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
3(2)『エクソシスト 信じる者』
4(3)『パウ・パトロール ザ・マイティ・ムービー』
5(初・再上映)『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』
6(4)『ソウ10(原題) / Saw X』
7(5)『ザ・クリエイター/創造者』
8(7)『名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊』
9(6)『ザ・ブラインド(原題) / The Blind』
10(8)『死霊館のシスター 呪いの秘密』