JO1與那城奨、大平祥生、金城碧海が思う、グループが一つになるために必要なこと
お笑い芸人、映画監督として活躍する品川ヒロシが自身の青春時代をつづった小説を映画化した『ドロップ』(2009)。その後日談を描く井口達也、みずたまことのヤンキー漫画を品川監督が映画化する『OUT』が、11月17日より公開される。本作で、少年院から出所した伝説の不良の主人公・井口達也(倉悠貴)が出会う、暴走族「斬人(キリヒト)」の特攻隊長・長嶋圭吾、親衛隊長・目黒修也、期待のルーキー・沢村良を演じるのが、グローバルボーイズグループ・JO1の與那城奨(よなしろ・しょう)、大平祥生(おおひら・しょうせい)、金城碧海(きんじょう・すかい)。3人が、本格的なアクションへの挑戦を振り返ると共に俳優としての互いの印象や、グループへの思いも語った。
【画像】シビれる美!JO1與那城奨×大平祥生×金城碧海撮りおろし<ソロカット有り>
アクションって楽しい!
Q:映画の話を聞いたのはいつですか?
金城碧海(以下、金城):撮影が2023年1月から2月末だったのですが、撮影に入る2、3週間前でした。
Q:撮影までに準備したことはありましたか?
大平祥生(以下、大平):アクション経験がゼロに近い状態でのスタートだったので、ほぼアクション練習でした。僕が演じた目黒はボクシングスタイルのアクションなので、ボクシング経験のある奨くんや、品川監督のドラマ「ドロップ」(WOWOW・2023)でアクションをしていた碧海にもいろいろと教えてもらいました。最初はボクシングのことが全くわからなかったのですが、練習するとどんどん形になってきて。奨くんや碧海、アクションの先生にも“良くなっている”と言ってもらえたり、自分でもいい感じになってきたなと思いました。
與那城奨(以下、與那城):僕もほぼゼロの状態からでした。僕の役は木刀も使うので、碧海や祥生がアクション練習を終えたあと、僕だけ木刀の練習で居残りでした(笑)。品川監督からは“長嶋圭吾は筋肉がある設定だから、筋肉を見せてほしい”とリクエストがあったので、腕の筋肉を意識したりしました。
Q:金城さんはアクションにものすごいキレがありましたが、アクションへのこだわりはありますか?
金城:僕は品川監督と2回目のタッグで、一緒にお仕事させていただくうちに品川監督の“僕の好きな部分”がわかってきたような気がして。よりリアルで臨場感のあるアクションにするために動きのキレを求めていらっしゃると思ったので、蹴りを入れる時は常に本気でやっていました。
Q:撮影現場ではアクションシーンが急遽追加になったそうですね?
金城:そうなんです! 日が落ちてしまうまでに撮らないといけないなか、「ちょっと碧海くん、ここいこう!」と品川監督に言われた一発撮りのシーンがあって。本編で使われていました!
大平:僕も、品川監督いわく“普段ダンスをしているので覚えが早い”らしく、その場で追加のアクションが多くなったみたいです。
與那城:3人ともアクションは増えていきました。
Q:またアクションに挑戦したい気持ちはありますか?
與那城:もっとやってみたいです。
大平:(同意しながら)もっとうまくなりたいです。監督の「OK」が出た時の「嬉しい!」という気持ちがいまだに残っています。
與那城:品川監督の「OK」がめちゃくちゃ嬉しいんです。「ゥオッケーイ!!」って。でも全然ダメなときもあって。
金城:わかる!「……ン、オッ、オッケーイ……」って、この「ン」があると、ね。
與那城:“もう一回いこうか”と。だから一発OKの時は気持ちいい。お芝居をやっていくうちに、もっとうまくなれば気持ちのいいOKが増えるんじゃないのかなと思います。
撮影を通じて知ったメンバーの新たな顔
Q:劇中、達也(倉)と「斬人」のメンバーとのテンポの良い掛け合いが印象的ですが、どのようにつくり上げていきましたか?
與那城:品川監督がどんどんセリフを足すんです。撮影現場でも“もうちょっとこうしよう”“ちょっと言い方を変えてみて”とニュアンスを変えたりしていました。
大平:テンポの良さは品川監督ならでは。間の使い方がすごい。
Q:撮影を通じて、お互いに新しい一面を知ることはできましたか?
大平:碧海が実際は同い年なんですが、劇中では年下の設定だったので僕に敬語を使っていたのは新鮮でした。
與那城:「目黒さん! 目黒さん!」って(笑)。めっちゃ面白かった。
金城:撮影では役に入り込んでいたので敬語は特に違和感はなかったんですが、祥生はちょっとビビってた?(笑)。
大平:ビビってないわ(笑)! でも、2人ともキャラが合っていて面白かったな。奨くん、普段はおしゃべりなのに、こんなに口数が減るんだと思って。
與那城:そうね、全然しゃべらなかった。
金城:奨くんと祥生のキャラクターの再現度が高すぎて面白かったです(笑)。最初、目が慣れなかったほど。
撮影現場の外でも役が抜けない!
Q:グループの活動が忙しいなかでの本作の撮影、気持ちの切り替えは大変でしたか?
金城:僕らはずっと色々なことをしていて、切り替える時間がなかったのですが、撮影に行けば自然に役に入り込んでいました。
與那城:切り替えというか、「(撮影に)行ってきます!」という感じでした。
Q:それぞれ役が抜けない、ということはありましたか?
金城:あります! 祥生が俺に向かってシャドーボクシングしてくるんです。「来い、来い」って。
大平:今でもする(笑)。
金城:だから多分、祥生だけまだ役が抜けてないです(笑)。
大平:初めてのアクションが楽しかったので。あと、撮影の時期は心なしか眉間にずっとシワが寄ってました(笑)。
與那城:僕は役が抜けないことはなかったですが、髪型が特徴的だったのでどうしてもメンバーに見せたくて。撮影が終わって役の髪のままで、練習とかメンバーの撮影に行って、最初誰にも気づかれないっていう(笑)。
Q:一番反応が大きかったメンバーは?
與那城:(川西)拓実です。本当に俺に気づいていなくて、めっちゃビビってました。「奨くんやないかいっ!」って。あの髪型でマスクをして、眉間にシワを寄せて行きました(笑)。
グループが一つになるために必要なことは?
Q:劇中、「斬人」は敵対する暴走族「爆羅漢」との抗争で仲間との絆が試される展開になりますが、本作を通じて、あらためてグループとして一つになるために必要なこととは何だと思いましたか?
與那城:目標を持つことです。僕らで言うとツアーが一つの目標。映画(劇中)だと相手を倒すこと。撮影現場では、作品を完成させる、という強い思いが鍵だったと思います。
大平:メンバーと一緒に頑張ることかな。グループで、ライブという一番大事なことを乗り切るみたいな。
金城:確かに、一つになるには目標が同じだといいよね。映画では、ストーリーが進むにつれ共通の敵がいることで斬人の仲間意識が強くなるんですが、主人公の達也に関してはまだちょっと一匹狼の部分があって。そこが終盤になると、メンバーと一つになっていく。そういう共通の何かがあれば一つになれるような気がします。
Q:本作を通じて学んだこと、得たものがあれば教えてください。
金城:ヤンキーというか「斬人」のメンバーは素直。思ったことが態度とか口調に出るし、素直に言い合うことも大事だなと感じました。JO1はみんな優しすぎるところがあるので、ツアーのことやこれからのことでも、もう少し意見を出し合って時には言い合うっていう場も大事なんじゃないかなと思いました。
大平:意見をしっかり伝えることですかね。
與那城:僕は演技です。見せ場がいっぱいあるので、自分の見せ方はすごくいい勉強になったかなと思います。
Q:これから俳優、表現者としてやっていきたいことはありますか?
大平:表現の幅が広がったので、いろいろな役に挑戦したいです。
與那城:確かに、祥生があんなに叫ぶのは見たことないかも(笑)。
金城:僕はコメディー系や喜劇的な作品もやってみたいです。
大平:僕は、今回演じた目黒も叫んでいて「ショート・プログラム」(Prime Video・2022)もキレ役。怒っている役柄が多いです。
與那城:怒り役、ハマり役なのかな。
大平:このキャラで(笑)? 今度はちょっと落ち着いたキャラをやってみたいな(笑)。
取材では、寡黙な役柄とは打って変わって場を盛り上げながら大平と金城にも話を振り、JO1のリーダーとしてさすがの立ち振る舞いをみせた與那城。大平は演技&アクションに「もっと!」と貪欲な姿勢を見せ、金城は芝居の楽しさに目覚めたかのようだった。JO1としても多忙な日々を送り、3RD ALBUM「EQUINOX」をリリースしながら、全国アリーナツアーを敢行。11月24、25日には追加公演として、京セラドーム大阪で初のドーム公演を実施。活躍は国内にとどまらず、同月から、ジャカルタ、バンコク、台北、上海のアジア4都市をまわるアジアツアーも行われた(ジャカルタ、バンコクは終了、台北は11日、上海は12月8日)。(取材・文:梅山富美子)