稲垣吾郎、フォトタイムが「短すぎる」と自ら仕切り 『正欲』TIFFダブル受賞を祝福
俳優の稲垣吾郎が11日、都内で行われた映画『正欲』(公開中)の公開記念舞台あいさつに共演の新垣結衣、本作のメガホンを取った岸善幸監督らと共に出席。第36回東京国際映画祭で観客賞とともに最優秀監督賞を受賞した岸監督を花束で祝福した。
映画『桐島、部活やめるってよ』『何者』などの原作者としても知られる朝井リョウの同名小説に基づく本作は、家庭環境、性的指向、容姿など異なる背景を持つ人々を描くストーリー。壇上には共演者の磯村勇斗、佐藤寛太、東野絢香も登壇した。
稲垣は監督の受賞について「自分のことのように……いや、自分のこと以上に嬉しかったです」と振り返り、「その知らせを聞いたときに一刻も早くおめでとうの気持ちを伝えたかったです」と感慨深げ。花束贈呈後は監督とのフォトタイムが「短すぎる」ともどかししい様子で、自ら仕切りを行い監督と登壇者によるフォトタイムを主導し、岸監督の受賞に敬意を表した。
稲垣は本作について「とにかくみなさんの演技が素晴らしかった」と述べ、「一人一人いろんなものを抱えて大変な覚悟で挑んだ撮影。それをこんなに素晴らしい作品に仕上げていただいたことが嬉しい。一人でも多くの人に見てもらいたいです」と呼びかけ、初共演となった新垣を「いつものガッキーとまた違った目の輝きを感じた」と絶賛した。
共演者とは別々の撮影が多く、映画祭で初めて会った人も多かったという稲垣。「撮影中はお会いできなかった方が多かった。現場でお会いしても役として生きていらっしゃったので、なかなかお話をすることもできなかった。映画祭ではたくさんお話ができ、それぞれの素の部分も見えて嬉しかったです」と映画祭で親睦を深められたことを喜んだ。
新垣も「スタッフ、キャスト一人一人がこの映画を作ることに対して誠実に取り組んでいました。私自身も苦しくもあり温かくもあった撮影で、それを素晴らしい作品に仕上げてもらえたことが嬉しいです」とコメント。稲垣同様、映画祭で初めて会った人が多かったことに触れ、「会うと一緒にこの作品を作り上げた仲間という感じがしました。はじめましてから楽しくお話することが出来ました」と振り返った。
岸監督は壇上で祝福され、恐縮の表情。前日に台湾の映画祭でQ&Aを行っていたことを紹介し、「世界でもこの映画は通じるんじゃないかって思いました。この後、香港にも行くんですけど、一人でも多くの人に見てもらいたい」と海外への広がりを視野に入れていた。(取材・文:名鹿祥史)