「どうする家康」真田昌幸の声なきささやきは佐藤浩市のアドリブ！
5日に放送された松本潤主演の大河ドラマ「どうする家康」（毎週日曜夜8時～NHK総合ほか）第42回で佐藤浩市演じる真田昌幸の声なきささやきが話題を呼んだが、これが佐藤のアドリブだったことが明らかになった。
第42回「天下分け目」では「関ヶ原の戦い」を前に、家康（松本）と石田三成（中村七之助）がそれぞれ日本各地の諸大名を味方につけるべく、数百通の書状を書き続ける熾烈な調略戦が描かれた。話題を呼んだのは、真田昌幸が次男・信繁（日向亘）を連れて信濃・上田へと引き返す際、長男・信幸（吉村界人）の居城である上野・沼田城を訪れるシーン。城に入ろうとする昌幸らの前に信幸の妻で家康の家臣・本多忠勝（山田裕貴）の娘である稲（鳴海唯）が「ここから先は一歩も通しませぬ！」と立ちはだかった。昌幸が信繁と共に三成側についたため、稲にとっては敵。一触即発のムードに包まれた。
しかし、昌幸はいきり立つ信繁や家臣たちを抑え、「さすが本多忠勝の娘じゃ。この城を乗っ取るのはやめじゃ」と引いた。去り際に昌幸が「ほんの少しでよい」と孫たちの顔を見せてほしいと頼むと、稲はしばし逡巡したのち子供たちを連れてきた。
「乱世を泳ぐは愉快なものよ」が口癖で、家康に幾度も苦杯をなめさせてきた“食えない”猛将の昌幸だが、孫たちを前にすると途端に表情が和らいだ。何も事情を知らない孫たちは「じいじ！」と喜び、昌幸は馬から降りようとするも稲は「降りてはなりませぬ」と阻止。あどけない孫たちが代わる代わる映し出されたのち、昌幸は声を出さずに孫たちに何かをささやくと去って行った。寂しげな昌幸に「じいじー！」「じいじ様」と孫たちの声が重なる切ないシーンだったが、SNSでは昌幸が孫たちに何を言ったのかと気にする声が続々。
このシーンは、台本上では「・・・（心の中で別れを告げる）」とされており、NHKによると声なきささやきは佐藤のアドリブだったという。
孫たちに触れられないまま去っていく昌幸には哀愁漂っていたが、後のシーンでは家康の息子・秀忠（森崎ウィン）らに一杯食わせる展開となり、変わらずの策士ぶりを発揮していた。（編集部・石井百合子）