『翔んで埼玉』続編で大活躍！滋賀生まれの「とびだしとび太」登場秘話
郷土愛あふれる“埼玉ディス”で支持を集めた人気作の続編『翔んで埼玉 ～琵琶湖より愛をこめて～』（全国公開中）の武内英樹監督と若松央樹プロデューサーが、関西を巻き込んだ続編で大活躍する、滋賀生まれの“とびだしとび太”登場の裏側を語った。
東京都民に虐げられる埼玉県人の自由を求める戦いを自虐ネタ満載で描いた前作『翔んで埼玉』（2019）。続編では、埼玉解放戦線を率いる主人公・麻実麗（GACKT）が関西へと進出。大阪、神戸、京都に虐げられる、“滋賀のオスカル”・桔梗魁（杏）と手を取り合い、新たな戦いに挑む。
「同じ琵琶湖の水で生きてるのに……どうして我々だけが虐げられなアカンのか」。無念を抱えて、自由のために立ち上がる滋賀＆和歌山＆奈良の解放戦線員と一緒に（？）戦うのが、日本各地で飛び出し注意を啓発し続ける、滋賀発祥の看板、“とびだしとび太”だ。
とび太くんが滋賀生まれということに「我々も、取材で現地に行くまで知らなかったんですよ」という武内監督。若松プロデューサーは「『三成さんは京都を許さない －琵琶湖ノ水ヲ止メヨ－』（さかなこうじ／著）という、あちらの地方ディス漫画があるのですが、そちらのなかでも、滋賀県の人口と同じ140万くらいあるんだと紹介されているようなエピソードがあって。これは面白いね、という話になったのがきっかけでした」と明かす。
劇中では“とびだしとび太”が、大阪、神戸、京都に対抗する解放戦線をサポート。物言わぬ看板でありながら、人々をけなげに支える姿も映し出されており、武内監督は「実際に、とび太で泣ける映画ができたら発明だよねって話し合っていました。実際に泣けるかどうかはわかりませんが（笑）。でも、滋賀の方からは『ちょっと泣けた』っていう意見もあったんですよ」と明かす。
ただ、自ら「壮大な茶番劇」を宣言する『翔んで埼玉』に登場することを、製作者は快く許可してくれたのだろうか。「（“とびだしとび太”を作っている）久田工芸さんに、直接お話させていただきました。少人数の小さな町工場という風情で、作り手も一本気の職人という感じの方。マスコミの取材は一切受けないということだったんですが、取材ではないということで会っていただけました。そこで、映画で使わせてほしいとお話したらOKをいただいたんです」と若松プロデューサー。
武内監督も「とび太が戦うんです！ ヒーローになります！ と最初に言ったら、キョトンとされていましたけどね」と苦笑しつつ「どこまで『翔んで埼玉』を知っていただけているかはわかりませんが、許可をいただけたのは本当にありがたかったですね」と心から感謝していた。（編集部・入倉功一）
映画『翔んで埼玉 ～琵琶湖より愛をこめて～』は全国公開中