唐田えりか、休業中は疎遠だった友人と再会&初共演
俳優の唐田えりかが2日、渋谷シネクイントで行われた映画『朝がくるとむなしくなる』(公開中)の公開記念舞台あいさつに登壇。休業中は疎遠になっていた友人・芋生悠との初共演や、本作を通して芽生えた思いなどを打ち明けた。この日は、芋生、石橋夕帆監督も来場した。
会社を辞めて、日々むなしさを抱えながらコンビニエンスストアでアルバイトとして働く24歳の飯塚希(唐田)の日常が、同級生・大友加奈子(芋生)との偶然の再会をきっかけに変わり始める人間ドラマ。第18回大阪アジアン映画祭インディ・フォーラム部門「JAPAN CUTS AWARD」を受賞しており、この度、フランスでの配給も決定した。
唐田は「2年前に撮影していたものが無事に公開できてうれしいですし、以前からお友達だった芋ちゃんとも共演できて、大切な作品になりました」と充実した表情をのぞかせる。8年来の友人で、1日に2回会うこともあったほど親密だったものの、唐田の休業中に一時的に連絡が途絶えたという二人。芋生も「役としても再会があり、プライベートでも再会でき、夕帆さんとも再会でき、自分にとって特別な作品になっているので観ていただけるのが本当にうれしいです」と笑顔を見せた。
石橋監督は唐田のキャスティングについて言及。主演候補の中に唐田の名前を見つけて直感で即決後、自身の監督作『左様なら』から交流のある芋生の友人だと聞いていたこともあって「二人の関係値をベースに何かいいもの作りができそうな予感がしたのと、その時の唐田さんが置かれていた状況や自分が思っていることも含めて、何か形ができたら」と考えるようになったと打ち明ける。唐田は「素直にうれしかったです。お会いした時は初めまして感がないというか、一緒にいる時間が心地いい感じで、すごく有り難い気持ちがたくさんありました」と頭を下げた。
また、司会者から加奈子(芋生)の「私もさ、多分、今まで何回も間違えてるの」「そんな正しくなんて生きられないよ」というセリフが心に響くと伝えられると、石橋監督は「今の社会はいろんな価値観があって生きやすいはずだけど、それを我が物顔で相手に投げた時に無責任に人を傷つけていることがあると思います。正しいからいいじゃんって思っちゃうけど、ある主、暴力的。自分だってあの時ああしちゃったじゃんと思うことがあるのに、何で相手にばかり正しさを求めるんだろう……と感じていたのでセリフに入れました」と説明した。
最後に唐田は、「自分の立場から、どういうふうに言葉にしていいか、わからないんですけど、自分も加奈子みたいに人に寄り添って『大丈夫だよ』と言える人でありたいと思いました」と力を込める。続けて、「この作品をやって、背中を押していただきました。観てくださった方の背中を押してくれる作品でもあると思うので、日常のパワーになったらいいなと思います」と呼びかけた。(錦怜那)