『翔んで埼玉』続編、愛之助との濃厚シーンはGACKT発案 原作リスペクトが生んだ名場面
映画『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』の武内英樹監督と若松央樹プロデューサーが、同作で共演したGACKTと片岡愛之助が挑んだ濃厚シーンの裏側を、GACKTの作品への気合と共に語った。
本作は『パタリロ!』シリーズの原作などで知られる魔夜峰央の漫画を、GACKT&二階堂ふみのダブル主演で実写化した映画『翔んで埼玉』(2019)の続編。前作で東京や千葉と激闘を繰り広げた埼玉解放戦線を率いる主人公・麻実麗(GACKT)が、滋賀、和歌山、奈良を虐げる、大阪府知事・嘉祥寺晃(片岡)ら関西勢に戦いを挑む。
劇中、大阪で捕らわれの身となった麗を待つのは、粉もんをひたすら摂取させられるなど、嘉祥寺による徹底した大阪攻め。本作の予告編でも、麗に対して嘉祥寺が“乳首ドリル”を敢行する衝撃シーンが映し出されているが、劇中には、GACKTと愛之助による、さらに濃厚な場面も登場する。
武内監督は「あのシーンは、実はGACKTさんが現場で『ここでボクの口のソースを愛之助さんが……』と提案してくれたんですよ」と告白。「その時点では、前作のようなBLシーンが少ないのではないかということで、それに近い物があった方がいいのでは、と発案してくださったんです」と明かす。
若松プロデューサーは、その提案がGACKTの原作への深いリスペクトから来ていると証言する。「もともと『パタリロ!』の大ファンでもあるGACKTさんですから、魔夜先生の世界観を深く理解されている。原作へのリスペクトもすごくて、『魔夜峰央の世界を踏襲しなくてはいけない』ということをわかってくださっているんです」
一方、撮影現場で濃厚シーンを提案された愛之助も「提案された際は『やり……やりますか』という感じでしたが、いざ決まるとぱっとやってくださった」という武内監督。その愛之助は、本作で妻である藤原紀香と結婚後初共演を果たしているが、こちらも夫婦そろってノリノリだったという。「前に紀香さんにお会いした時に、また『翔んで埼玉』やるなら神戸市長役で出るから! と言ってくださっていたんです。そこで、2020年ごろに続編の話が進んだ時に、本当にやっていただけないかなとなって。さらにメインヴィランが大阪府知事となった時に、僕らの間で『これ旦那(愛之助)さんやってくれないかなって』と話していて(笑)」
さらに「紀香さんから提案されたわけではないのですが、大阪のドンといったら、夫の愛之助さんがいいのではないかとなったんです。そこで、それぞれお二人の事務所に『こういう役なのですが、ご夫婦で大丈夫ですか?』と聞いたら快くOKをいただけました」という若松プロデューサー。
「そうなると脚本家の徳永友一さんも、これは面白いぞというノリになって『これ大丈夫ですか?』というシーンがどんどん生まれました。もちろん、逐一確認しながら進めたんですが、お二人ともノリノリでやってくださいましたね」という武内監督は「撮影が終わった際には、愛之助さんにも『ものすごく楽しかった』と言っていただけました。『この後もぜひ監督の作品に出してくれって』という言葉もいただけてありがたかったですね。それこそ僕も『半沢直樹』なんかを拝見して、愛之助さんとはずっと仕事をしたかったので、うれしかったです」と語っている。(編集部・入倉功一)
映画『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』は全国公開中