「どうする家康」大坂の陣で同情が相次いだ3人 「人の所業」がトレンド入り
3日に放送された松本潤主演の大河ドラマ「どうする家康」(毎週日曜、NHK総合で夜8時~ほか)第46回では、家康にとって最後の戦となる「大坂の陣」が幕を開け、家康がつぶやいた「人の所業」のほか多くのワードがXのトレンド入り。とりわけ3人の人物に同情の声が相次いだ(※ネタバレあり。第46回の詳細に触れています)。
第46回「大坂の陣」では、豊臣が方広寺の鐘に刻んだ「國家安康」「君臣豊樂」の文言が火種となり、豊臣VS徳川の戦いの火ぶたが切って落とされた。初めは家康の息子・秀忠(森崎ウィン)が総大将を務めようとしていたが、「徳川が汚名をきる戦」とみていた家康はそれを拒み、戦いの責はすべて自身が負うと宣言。「信長や秀吉と同じ地獄を背負いあの世へ行く。それが最後の役目じゃ」と覚悟を決めた。秀忠は「少し懲らしめてやれば」と甘く見ていたが、真田信繁(日向亘)らによる鉄砲隊の集中砲火を受け、徳川軍は苦戦。ついに家康は最終手段を決行する事態となる。
戦の前に同情をかっていたのが、豊臣と徳川が戦にならぬよう橋渡しを務めていた豊臣の家臣・片桐且元(川島潤哉)。鐘の一件で大騒ぎの徳川に謝罪するも本多正純(井上祐貴)からは「度重なる徳川への挑発、もはや看過できませぬ」とピシャリ。家康はかつての信長(岡田准一)のように表情を動かさず指をトントン鳴らすしぐさで無言の圧。秀頼に国替え、あるいはほかの大名と同様、江戸に屋敷をもち参勤、あるいは茶々(北川景子)を人質に差し出すという地獄の選択肢。今度は秀頼(HiHi Jets・作間龍斗)と茶々のもとに向かうと案の定、激怒。大野治長(玉山鉄二)は鐘の一件は言いがかりだと言い、豊臣をつぶすたくらみを断じて許すべきではないと言い放ち、且元はさすがに「こうなるとわかってあの文字を刻んだな!」「戦をして豊臣を危うくするつもりか!」と反論するも、挙句の果てに大野に命を狙われるハメに。プレッシャー大の橋渡しに肝を冷やす且元に姿に「片桐且元の心中をお察しするとおなかが…」「胃が痛い片桐…」「不憫な武将ランキングNo.1」「板挟みにされてかわいそう」と同情の声が多く寄せられた。
そして、同じく徳川と豊臣の板挟みに心を痛めているのが、家康の孫・千姫(原菜乃華)。いわば人質の格好で秀頼に嫁いだが、祖父・家康を倒すべく着々と戦の支度を進める茶々、秀頼、家臣たちの姿に胸を痛め、とりわけ秀頼が戦を前に家臣たちを鼓舞する場面では茶々の酷な命が注目の的に。茶々に軍を鼓舞するよう強制された千姫は、涙をこぼしながら「豊臣のために励んでおくれ」と弱弱しくつぶやき、「これ踏み絵だろ…」「千姫に何をいわせる」「千姫しんどいね」「その千姫を見つめる秀頼もつらそう」と胸を締め付けられる視聴者が続出した。
もう一人が、このところ“大いなる凡庸”だがポジティブで心優しい人物として人気を博す秀忠。秀頼に嫁いだ千姫の身を憂いていた秀忠は、家康が大筒を大坂城に向けると血相を変え、涙ながらに「父上、やめてくだされ」「やめろ!こんなの戦ではない」と抗議。しかし、家康も涙を浮かべながら「これが戦じゃ。この世で最も愚かで醜い。人の所業じゃ」と哀しそうにつぶやいた。この場面は、第22回の「設楽原の戦い」をほうふつとさせるという見方が多かった。屈強な武田軍が信長の3,000もの鉄砲に倒れていく惨状を目にした家康の亡き息子・信康(細田佳央太)は、うつろな目で「これは戦にございますか……これはなぶり殺しじゃ」とつぶやき、家康も呆然としながら涙を流す……というシーンだった。(編集部・石井百合子)