ウンパルンパ役ヒュー・グラント、自分は落ち目 自虐たっぷりインタビュー
映画『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』のヒュー・グラント(ウンパルンパ役)が合同インタビューに応じ、自虐たっぷりの軽妙な回答で同席したティモシー・シャラメ(ウィリー・ウォンカ役)を大笑いさせた。
【画像】素敵すぎる!来日時のティモシー・シャラメ&ヒュー・グラント
『夢のチョコレート工場』(1971)では故ジーン・ワイルダーさんが、『チャーリーとチョコレート工場』(2005)ではジョニー・デップがふんしたことで知られるエキセントリックな工場長ウィリー・ウォンカの若き日を描く本作。ヒューが演じたのは、オレンジ色の肌と緑色の髪を持つウンパルンパだ。モーション・キャプチャーでの撮影だったが、即興演技を生かしてウォンカ役のティモシーとのケミストリーを生むため、収録はセットの傍で行われた。そのため、インタビューでも二人は気心知れた雰囲気だった。
本作で大変だったことを聞かれると、「毎日、本当に大変だった。僕にとって、演技は非常に難しいものだ。とても緊張するし、とても居心地が悪く、とても不幸になる」とこぼしたヒュー。耳について離れないウンパルンパの歌についても、「悪夢だ。僕は今でも歌っている。僕の子供たちも、子守たちもみんなだ。もうずっと」と遠い目をしてティモシーを笑わせる。
かつて“ロマコメの帝王”として鳴らしたヒューがウンパルンパを演じるというニュースは多くの人々を驚かせたが、本人は自分とウンパルンパは似ていると感じているのだという。「彼は感傷的なものが嫌いで、自分のことをすごく重要な人間だと思っていて、それでいて実際、悲劇的な人物でもある。他のウンパルンパたちは彼のことを嫌いで、追放したわけだから。ちょっと孤独なんだ。……それってまさに僕のことじゃないか?」
夢を実現するために必要なことを聞かれると、ティモシーは「映画の通り、『ノー』と言われてもそれを受け入れないこと。自分のやりたいことをやり続け、諦めず、自分を支えてくれる仲間を作ることだ」と回答。ヒューは「それは重要だ。友人たちは自分に成功してほしくないと思っていると、年を重ねるごとに気付くことになる。友人たちに与えることができる一番の喜びは、失敗すること」とシニカルに語り、好きなチョコレートについても「高品質のチョコレートはおぞましい。僕は低品質のチョコレートが好きだ。たくさんの化学物質と砂糖が入っているのがいい。カカオはあまり要らない」とさらり。
今や飛ぶ鳥を落とす勢いのティモシーを前に、ヒューが「彼は驚異的なほど、ノンストップで上昇していっている。僕は悲劇的な下降だ。美しいシンメトリーになっている」とすかさず自虐すると、ティモシーはツボに入ってしまったようで大笑い。「オーマイゴッド(笑)。でも僕の友達は、僕の作品より彼の作品の方が好きだからね。ヒューのことはものすごく尊敬しているよ。伝説的な演技に、素晴らしい作品たち。『ラブ・アクチュアリー』(2003)、『モーリス』(1987)、『ノッティングヒルの恋人』(1999)、『パディントン2』(2017)も大ファンだから」と憧れの大先輩をたたえた。
なお、ヒューもティモシーも再びウンパルンパとウォンカを演じることには乗り気だ。ヒューが「やりたいね。ウンパルンパの前日譚、オリジンストーリーをやりたい」と言うと、ティモシーも「僕も観たいな。ウンパルンパの前日譚でも、続編でも」と笑っていた。(編集部・市川遥)
映画『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』は公開中