真田広之、ハリウッドで孤軍奮闘の日々 主演ドラマ「SHOGUN」でサムライスピリッツ貫く
真田広之がハリウッド製作の連続ドラマで初主演を務める、「SHOGUN 将軍」のスクリーニング記者会見が現地時間12月4日に米ロサンゼルスで開催、その模様が明かされた。会見には真田の他、共同クリエイター/ショーランナー兼エグゼクティブプロデューサー/脚本家であるジャスティン・マークス&レイチェル・コンドウのコンビと、エグゼクティブプロデューサーのミカエラ・クラベル、日本人プロデューサーの宮川絵里子が出席した。
本作は、1980年にアメリカで実写化された、ジェームズ・クラヴェルのベストセラー小説を再び映像化するドラマシリーズ。「関ヶ原の戦い」前夜、窮地に立たされた戦国一の武将と、日本に漂着しその家臣となったイギリス人航海士をはじめ、乱世を生き抜く者たちによる“SHOGUN”の座を懸けた陰謀と策略渦巻くドラマが展開する。真田は、徳川家康からインスパイアされた戦国最強の武将・吉井虎永役で主演。イギリス人航海士、ジョン・ブラックソーン(後の按針)役でコズモ・ジャーヴィス、キリスト教を信仰する彼の通訳・戸田鞠子役でアンナ・サワイが出演する。
会場では、アメリカ国内とインターナショナルのジャーナリスト約50人を前に、1話と2話を上映。「あそこまで拍手が起こるとは期待してなかったので、嬉しかった」と真田も驚くほど拍手喝采の大絶賛だったという。
トム・クルーズ主演作『ラスト サムライ』以降、活動の幅を海外へ本格的に広げた真田は、『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)、『モータルコンバット』(2021)、『ジョン・ウィック:コンセクエンス』(2023)などに出演。ハリウッドでの人望も厚く、日本を代表する俳優の1人として活躍している。
会見で真田は、数々のハリウッド大作に出演してきた経験を振り返り「いつも孤軍奮闘して何とか日本人がおかしくないものにしようという戦いはずっと続いていました」と告白。さらに「どのプロジェクトでも、できるだけ直そうとしたり、コンサルティング的なことはずっとしていたのですが、やはりイチ俳優としてできることの限界をずっと感じていました」と葛藤を抱えていたことを明かす。
それだけに、主演&プロデューサーを務める「SHOGUN」は念願の企画だったといい「僕にとって奇跡のようなプロジェクトでしたし、プロデューサーとして初めての経験でした。日本人として、僕は日本の文化を正しく世界に紹介したかったんです。それはいつも僕の夢でした」と語る。出番のありなしに関わらず、朝早くから撮影現場に向かい、美術小道具チェックをしたあと役者を迎え入れてリハーサルを確認し、ようやく自身の扮装に入るというストイックさ。日本人の立ち振る舞いや話し方、シチュエーションなど、クリエイターのジャスティンと常に話し合いながら、プロデューサーとして隅から隅までこだわり抜いて作品を完成させたという。
「ある意味での集大成でありはじめの一歩、というのがすごくあります。これを土台に、またどこまで行けるのかなという。大きな布石というか、何度か人生の中であったそういう感覚が、今また感じています」
本作には真田を筆頭に、浅野忠信、金井浩人、平岳大、穂志もえか、西岡徳馬、阿部進之介、倉悠貴、向里祐香、そして二階堂ふみなど日本人キャストが出演。さらに、衣装担当にはNHK大河ドラマや北野武監督作『首』などの衣装デザインを務めた黒澤和子、美術には『それでもボクはやってない』(2006)などの部谷京子など、スタッフにも日本人が参加。真田は「日本の時代劇専門のクルーも日本の俳優も力を合わせて現場で粘った作品なので、ぜひ期待していただきたいですし、何より素晴らしい原作と脚本の中で、日本人の精神性やサムライスピリッツを貫けたような気がしています」と自信を覗かせる。
「SHOGUN 将軍」は全10話のリミテッドシリーズとなり、2024年2月27日よりDisney+ (ディズニープラス)の「スター」で配信。初回は2話配信、その後毎週1話ずつ配信、最終話は4月23日配信予定となっている。(編集部・入倉功一)