劇場版『ガンダムSEED』完成!福田己津央監督、ファンに向け「20回は観られる」と自信
映画『機動戦士ガンダム SEED FREEDOM』(1月26日全国公開)の完成報告会見が10日、丸の内ピカデリーで行われ、保志総一朗(キラ・ヤマト役)、田中理恵(ラクス・クライン役)、鈴村健一(シン・アスカ役)、下野紘(オルフェ・ラム・タオ役)、森崎ウィン(グリフィン・アルバレスト役)、主題歌を担当する西川貴教、仲寿和プロデューサー、福田己津央監督が登壇。約20年の新作となる映画の見どころを、ネタバレスレスレで語り合った。
本作は、「宇宙世紀」シリーズとは異なる世代に向けて、2002年10月から全50話で放送された「機動戦士ガンダムSEED」、その続編で2004年から2005年に放送された「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」に次ぐ、シリーズ最新作。コズミック・イラ(C.E.)75年を舞台に、遺伝子操作を受けた人類(コーディネイター)と、操作を受けていない人類(ナチュラル)の対立を描く。
シリーズを手がけてきた福田監督は「20年越しに新作を作らせていただきました」と切り出すと「その間、公私ともにいろいろありました。20年という年月ですが、2~3年ぐらいしか空いていないというつもりで頑張って作りました。僕自身の気持ちもだいぶ若くなりました。僕は7~8回観ましたが、大丈夫でした。皆さんなら20回は観られると思います」と客席に呼びかける。
さらに、これまで「ガンダムSEED」シリーズを観たことがない人も劇場版を楽しむためのポイントとして、福田監督はキラとアスラン・ザラの関係性に触れ「『SEED』のときのキラはノンポリの学生だったのですが、戦争に巻き込まれていくことで、戦うとはどういうことかを体験していきます。そこからアスランとキラは、ある意味でライバルとして『DESTINY』につながっていく」と述べると「キラは保志くんぽいし、アスランは石田(彰)さんぽい」と声優たちとキャラクターが似ていると強調する。
そこで保志が「僕がキラを、石田さんがアスランを演じることによってキャラが育って行ったような気がします」と語ると、福田監督も「オリジナル作品なので、演者がそれぞれどう感じているかを察しながら演出を変えていった部分はあります」と同調。今回の劇場版における、二人の関係性はどうなるのかという、突っ込んだ話になると「みんなアスランとキラは仲がいいと言うのですが、僕はそうは思わないんです。いつもキラが我を通してアスランがフォローする。キラは“アスランたらし”。今回の映画では痛い目を見ればいいんですよ」とギリギリのトークを展開する。
また、キラとラクスの関係性について「愛なのか」という質問に田中が見解を述べると、福田監督は「心が通い合うという意味では、テレビアニメのときからラクスの心はキラにあった。今回はキラとラクスの話を描くというのはずっと言っていることなので……ネタバレにはならないですよね」と期待をあおる発言。
さらに、鈴村が演じるシンについて福田監督は「活躍します。大丈夫です。シンは怒りの子のように思われていたけれど、そうでもない。根は素直で可愛い。今回は可愛らしさや強さを表現してみませんか」と提案したことを明かすと、鈴村は「監督から素直な子と言われ、その部分を意識しました」と語っていた。
「20年ぶりとなるので、最高の舞台、演出で観てほしいので、なるべく情報は出したくない」と語った福田監督。そんななか、サービス満点なギリギリのトークに会場は大いに盛り上がっていた。(磯部正和)