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本郷奏多「光る君へ」花山天皇が長袴をはく理由に驚き

本郷奏多演じる花山天皇
本郷奏多演じる花山天皇 - (C)NHK

 1月7日よりスタートした吉高由里子主演の大河ドラマ「光る君へ」(NHK総合・毎週日曜よる8時~ほか)。初回では、第65代・花山天皇の幼少期が、かなりのインパクトで描かれた。成長した花山天皇を演じるのが、俳優の本郷奏多だ。14日放送の第2回から登場する。本郷と言えば、映画『キングダム』の成キョウや『シン・仮面ライダー』のカマキリ・カメレオン(K.K)オーグ、現在配信中のNetflixシリーズ「幽☆遊☆白書」の飛影など、数々の作品で個性的なキャラクターを立体的に演じてきた。本作でも本郷自身「かなり個性的です」と語るように、これまで大河ドラマなどで描かれてきた天皇のイメージとはガラリと違うらしい。「一言でいえば人間味あふれる天皇です」と語った本郷が、脚本家・大石静が描く風変りな花山天皇像について語った。

【画像】インパクト大!花山天皇ビジュアル<3枚>

 「光る君へ」は、千年の時を超えるベストセラーとして世界中で注目を浴びる「源氏物語」の作者・紫式部(まひろ/吉高由里子)の生涯を追う物語。平安中期のきらびやかな貴族社会を舞台に、藤原家の家系でありつつも下級貴族の娘として育ったまひろが、幼少期に数奇な縁で出会った藤原道長(柄本佑)と繰り広げる切ない恋模様や、血なまぐさい貴族の権力争いなどが描かれる。

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 花山天皇は、円融天皇(坂東巳之助)の次の天皇となる人物。東宮として初回に登場すると変顔を披露する強烈なキャラクターだった(※初回は子役の伊藤駿太)。

 本郷自身、大河ドラマは2020年放送の「麒麟がくる」以来、2度目の出演となる。本郷は「『麒麟がくる』では右も左も分からない状態で、すべてが勉強でした。いろいろな作品に出演してきましたが、これまでの現場の中で一番緊張した現場。共演する皆さんも大先輩ばかりで、“これが大河の現場なのか”と。その経験があったので、今回はあまり緊張せずにクランクインすることができました」と笑顔を見せる。

 「麒麟がくる」では公家である近衛前久を演じ、「光る君へ」では花山天皇と身分の高い役柄が続く。本郷は「いろいろな人に武将よりは公家の方が似合っていると言われますね」と笑うと「前作では身分の高い方の所作などの稽古はかなりしたのですが、今回もあるにはあったものの、花山天皇は“あまりそういった所作にとらわれず、自由にやっていいよ”と監督もおっしゃっていたので、“天皇とはこうあるべき”というのはあまり意識せずに演じています」とアプローチに触れる。

 この点について、制作統括の内田ゆきも「これまで大河ドラマで描かれている天皇は、御簾の奥にいてあまり存在を描かれていないか、強大な権力を持っているか……という両極端の描かれ方が多かったですが、今作では“人間味”という部分が強く描かれています」と語っていた。本郷も「大河ドラマの天皇はあまり心情を描かず、神々しい存在というイメージでしたが、大石さんの脚本で描かれている花山天皇は感情表現が豊かで、嫌なことがあったら怒るし、嬉しいことがあったら喜ぶ。すごく人間らしく描いてくださっています」と大石脚本の魅力を述べる。

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 大石が描く花山天皇とはどんな人物なのか。本郷は「メインのキャストさんやスタッフさんがズラリと集まった最初の顔合わせのとき、それぞれキャラクターの紹介があるんです。そのとき“勉強嫌いで女好き。変わった天皇を演じる本郷奏多さんです”と紹介されて。だいぶぶっ飛んだキャラなんだなと思いました」と笑う。本郷も役が決まったとき、資料などを調べ「ちょっと変わっている天皇なんだな」と感じていたというが、脚本を読んで「変というよりは、とても純粋。若くして天皇という立場になってしまったので、まだ自分が抑えられず周囲を振り回してしまう。やりたくないことはやらない……みたいな」といったイメージが湧いたという。

 ハートフルな人間を描く大石脚本。本郷も「人間らしく、人間臭い。天皇なのですが人間なんだというメッセージが詰まっていて、お芝居をしていても全力で感情を振り切ることを心がけています。登場人物のなかでも、“感情を露にするランキング”では上位だと思います。人を困らせる無邪気な感じは、演じていてとても楽しいです」と目を輝かせていた。

 あまり所作は意識しなくてもいいというなか、印象に残ったのが「長袴をはくシーン」。とにかく動きづらくて、なんでこんなものをはいていたのか……と疑問に思い、尋ねたところ「逃げ出さないように敢えて動きづらくしているんです」という答えが返ってきた。本郷は「天皇といえども公家に管理されているんだと思いました。基本的に天皇には自由がないんだそうです。そのなかで、ここまで自由奔放に振る舞えるというのは、ある意味ですごい方だったんだなと思いました」と気づきも。

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 本郷と言えば、現在配信中の「幽☆遊☆白書」の飛影をはじめ、漫画実写化作品のキャラクターづくりでも定評があるが「現代劇ではナチュラルさ、原作ものではその世界観、時代劇では言葉遣いや所作、伝統を大切にしています」とそれぞれのジャンルで重視していることを明かす。平安時代を生きることには「あまり歴史に詳しくないのですが、脚本を読んで呪いとか占いで大事なことを決めるというのが、いまの我々からしたら考えられない。衝撃的でした」と新鮮に感じる体験も多い。

 花山天皇の指南役として出演している藤原為時(まひろの父)を演じる岸谷五朗は、本郷の俳優デビュー作『Returner リターナー』(2002)、『実写映画 テニスの王子様』(2006)で撮影を共にした関係だった。本郷は「あの時は一瞬の共演だったのですが、僕がご挨拶に行こうとしたら、岸谷さんの方から来てくださって。覚えていてくださったことが嬉しくて、さらに大好きになりました」と久々の再会を喜んでいた。さらに本郷は藤原実資役の秋山竜次について「元々大好きなのですが、ご一緒してとにかくすごい存在感で。秋山さんが今後どんなお芝居をされるのか、めちゃめちゃ楽しみです」と期待を口にしていた。

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 2024年は本作からスタートする本郷。1月期には「消せない『私』-復讐の連鎖-」(日本テレビ・放送中)、「アイのない恋人たち」(ABC・テレビ朝日・1月21日スタート)もあるが、「1月は、(大河のほか)2本の連続ドラマに出演させていただき、良いスタートを切れるのかな思います」とはにかむと「今まで以上に皆さんに観ていただけるように、役者としてしっかり頑張っていきたいです」と抱負を述べていた。(取材・文:磯部正和)

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