阿部サダヲ、宮藤官九郎とのタッグに感慨「最初のセリフから驚かされました」
俳優の阿部サダヲが19日、都内で行われたTBS系金曜ドラマ「不適切にもほどがある!」の制作発表会見に、脚本を手掛けた宮藤官九郎と出席した。阿部は、宮藤と主演と脚本という立場で民放ドラマに挑むのは初めてだといい、「素直に嬉しかったです。本も読んですごいなと思いました。最初のセリフからいきなり驚かされました」と感慨深げに撮影を振り返った。
本作は、令和にタイムスリップした昭和のダメおやじが「不適切」発言で令和の停滞した空気をかき回す様をコミカルに描く“意識低い系タイムスリップコメディー”。共演の仲里依紗、磯村勇斗、河合優実、坂元愛登、吉田羊も登壇し、冒頭、全員がドラマに登場するバスに乗り込んで客席に現れる演出が行われた。また、登壇者は全員、1980年代風の衣装で登場。阿部はダブルのスーツ、仲はピンヒールと豹柄のワンピース、磯村は80年代アイドル風ファッション、坂元は映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のマーティを彷彿とさせる衣装で会場を沸かせた。
1986年から2024年へ突然タイムスリップしてしまう主人公・小川市郎を演じる阿部は、昭和の匂いのするおじさんを演じるための役作りに工夫を凝らしたという。「最初、小指の爪だけ伸ばしていたんです。昔のおじさんって小指の爪を伸ばして色々するなというイメージがあったので。途中でやめましたけど」と嬉しそうに撮影を回顧。宮藤も「僕と阿部くん、ディレクターの金子くんは同じ年。昭和の話題になると(正しい情報を巡って)マウントの取り合いになるので面白かったです」と制作過程を振り返る。
宮藤は本作について「(令和は)これはダメ、あれはダメっていう時代ですけど、ただダメっていう言葉で終わりになっていることが多いなと思っています。なんでダメなのか問いかけ、みんなで考えるようなドラマにしたかった」と本作の狙いを紹介。「みなさんに見てもらって、なんでこれ言っちゃいけないのかとか話し合って欲しいです」と呼びかけた。
一方、平成生まれの磯村らは新鮮な気持ちで撮影に臨んだようで、とあるアイドルに心酔する秋津睦実を演じた磯村は、「今回、髪型、格好などの見た目は、あるアイドルに寄せているんです。誰かはまだ言えないんですけど、彼の歌っている姿などの映像を日々見て、こういう歌い方するんだなって思いながら演じています」と振り返った。また、阿部から「苦情がくるくらい歌の練習をしたみたいです」と歌のシーンについて明かされると、「気合の入ったシーンになっています」と自信をのぞかせ「楽しめるシーンだと思います。阿部さんともデュエットしているんです」と紹介した。
高校2年生(17歳)の市郎の一人娘を演じた河合も撮影が楽しかったといい、「印象的なセリフがたくさんありました。『そこで納豆かき混ぜて、チビで薄毛のハゲ』って阿部さんに言うセリフがあって……」と照れ笑いで衝撃のセリフの一端を紹介。「最初80年代のドラマを見て、今の人との喋り方の違いを見ていたんですけど、出てくる固有名詞を全部ググって調べました。私たちが見てもわからないことだらけでした」と苦労を明かした。阿部もそんな河合の演技を絶賛。「面白いですよ。思い切りのいい俳優さん。すごくやっていて楽しかったです。言われて少しハゲてるのかなって僕、気になりましたもん……」と笑いを誘った。
坂元は現在中学3年生。1986年にタイムスリップした中学生を演じるが、「とにかく毎日の撮影が楽しい。絶対退屈しないドラマだと思います。みんながどんな感想を持つかが今から楽しみです」とコメント。昭和の雰囲気については「ケツバットとかは嫌ですし、『明日までに坊主にしろ』とかもすごく嫌。でも、今と比べて娯楽が少ない分、みんなで、同じ話題で盛り上がれているところはすごくいいなと思いました」と感想を述べていた。(取材・文:名鹿祥史)
TBS系金曜ドラマ「不適切にもほどがある!」は1月26日より毎週金曜よる10:00放送