『夜の大捜査線』『月の輝く夜に』ノーマン・ジュイソン監督が死去 97歳
映画『夜の大捜査線』(1967)、『ジーザス・クライスト・スーパースター』(1973)、『月の輝く夜に』(1987)などを手掛けた映画監督のノーマン・ジュイソンさんが現地時間20日に米ロサンゼルスの自宅で亡くなったとVarietyほか各メディアが報じた。97歳だった。
ジュイソン監督は、1926年生まれのカナダ・オンタリオ州トロント出身。キャリア初期は演劇やラジオで俳優としても活動し、英国BBC勤務を経て、カナダのCBCで働いた後、 アメリカに渡りバラエティー番組などを担当。1962年の『40ポンドのトラブル』でデビューした。
作家ジョン・ボールのベストセラー小説を映画化した『夜の大捜査線』は、人種差別の激しいミシシッピ州にある町で起きた殺人事件を捜査する腕利きの黒人刑事と人種差別的な白人の警察署長を描き、当時盛り上がり見せていた公民権運動を背景に大きな話題に。同作はアカデミー賞において、作品賞を含む5部門で受賞した。
そのほか『華麗なる賭け』(1968)、『屋根の上のバイオリン弾き』(1971)、『ローラーボール』(1975)、『ザ・ハリケーン』(1999)など数々の作品を手掛け、プロデューサーも務めた。キャリアを通じて手掛けた作品はアカデミー賞に幾度もノミネートされ、自身も監督賞に3度ノミネートされている。1999年には名誉賞にあたるアービング・G・タールバーグ記念賞を受けた。(編集部・入倉功一)