日本アカデミー賞『ゴジラ-1.0』が最多12部門で優秀賞受賞!
第47回日本アカデミー賞
第47回日本アカデミー賞の正賞15部門各優秀賞および新人俳優賞の受賞作品・受賞者が25日に発表され、山崎貴監督の『ゴジラ-1.0』が作品賞を含む最多12部門で優秀賞を受賞。俳優部門では、安藤サクラと浜辺美波がそれぞれ優秀主演女優賞と優秀助演女優賞をダブル受賞した。
『ゴジラ』シリーズの70周年記念作品として制作された『ゴジラ-1.0』は、戦後、焼け野原となった日本にゴジラが現れ、戦争の惨禍を生き抜いた主人公らに襲い掛かるさまを描く。国内では公開80日間で観客動員348万人、興行収入54.5億円を突破。北米では、公開52日間で興行収入5189万ドル(約76.7億円)を超えている。第96回アカデミー賞で日本映画として初めて視覚効果賞にノミネートされる快挙を成し遂げた。優秀作品賞のほか山崎貴が優秀監督賞と優秀脚本賞、神木隆之介が優秀主演男優賞、浜辺美波が優秀主演女優賞、安藤サクラが優秀助演女優賞を受賞したほか、優秀撮影賞、優秀照明賞、優秀音楽賞、優秀美術賞、優秀録音賞、優秀編集賞にも輝いた。
次点は、名匠・山田洋次の90本目の監督作となる『こんにちは、母さん』が11部門で受賞。永井愛の戯曲に基づく家族の物語で、優秀作品賞、優秀脚本賞のほか、東京の下町で暮らす母親を演じた吉永小百合が優秀主演女優賞を、会社でも家庭内でもトラブル続きの息子を演じた大泉洋が優秀助演男優賞を、その娘を演じた永野芽郁が優秀助演女優賞を受賞した。
優秀作品賞は『ゴジラ-1.0』『こんにちは、母さん』のほか、是枝裕和監督作で脚本の坂元裕二が第76回カンヌ国際映画祭脚本賞を受賞した『怪物』、ドキュメンタリー作家の森達也監督が関東大震災直後に千葉県福田村で起きた虐殺事件を題材にした『福田村事件』、第96回アカデミー賞で国際長編映画賞(旧・外国語映画賞)にノミネートされたヴィム・ヴェンダース監督・役所広司主演の『PERFECT DAYS』が受賞した。
なお、安藤サクラは『怪物』で優秀主演女優賞を、浜辺美波は庵野秀明監督の『シン・仮面ライダー』で優秀助演女優賞を受賞している。
同映画賞では、2023年1月1日から同年12月31日までに公開され選考基準を満たした作品(日本映画149作品、外国映画221作品)に対し、日本アカデミー賞協会会員3,950名による投票が行われた。各部門の最優秀賞は、3月8日にグランドプリンスホテル新高輪で開催される授賞式で発表される。司会を、第43回より連続5回目となる羽鳥慎一と、『ケイコ 目を澄ませて』で第46回最優秀主演女優賞受賞を受賞した岸井ゆきのが務める。
第47回日本アカデミー賞・正賞15部門優秀賞、新人俳優賞など受賞結果は下記の通り。(編集部・石井百合子)
■優秀作品賞(各項50音順アルファベット順)
『怪物』
『ゴジラ-1.0』
『こんにちは、母さん』
『福田村事件』
『PERFECT DAYS』
■優秀アニメーション作品賞
『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』
『君たちはどう生きるか』
『窓ぎわのトットちゃん』
『名探偵コナン 黒鉄の魚影(くろがねのサブマリン)』
『BLUE GIANT』
■優秀監督賞
ヴィム・ヴェンダース『PERFECT DAYS』
是枝裕和『怪物』
成田洋一『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』
森達也『福田村事件』
山崎貴『ゴジラ-1.0』
■優秀脚本賞
佐伯俊道/井上淳一/荒井晴彦『福田村事件』
ツバキミチオ『シャイロックの子供たち』
山浦雅大/成田洋一『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』
山崎 貴『ゴジラ-1.0』
山田洋次/朝原雄三『こんにちは、母さん』
■優秀主演男優賞
阿部サダヲ『シャイロックの子供たち』
神木隆之介『ゴジラ-1.0』
鈴木亮平『エゴイスト』
水上恒司『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』
役所広司『PERFECT DAYS』
■優秀主演女優賞
綾瀬はるか『リボルバー・リリー』
安藤サクラ『怪物』
杉咲花『市子』
浜辺美波『ゴジラ-1.0』
吉永小百合『こんにちは、母さん』
■優秀助演男優賞
磯村勇斗『月』
伊藤健太郎『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』
大泉洋『こんにちは、母さん』
加瀬亮『首』
菅田将暉『銀河鉄道の父』
■優秀助演女優賞
安藤サクラ『ゴジラ-1.0』
上戸彩『シャイロックの子供たち』
永野芽郁『こんにちは、母さん』
浜辺美波『シン・仮面ライダー』
松坂慶子『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』
■優秀撮影賞
近藤龍人『怪物』
佐光朗『キングダム 運命の炎』
柴崎幸三『ゴジラ-1.0』
近森眞史『こんにちは、母さん』
浜田毅『首』
■優秀照明賞※撮影賞に準ずる
尾下栄治『怪物』
加瀬弘行『キングダム 運命の炎』
上田なりゆき『ゴジラ-1.0』
土山正人『こんにちは、母さん』
高屋齋(※高は「はしごだか」)『首』
■優秀音楽賞
上原ひろみ『BLUE GIANT』
小林武史『キリエのうた』
坂本龍一『怪物』
佐藤直紀『ゴジラ-1.0』
千住明『こんにちは、母さん』
■優秀美術賞
上條安里『ゴジラ-1.0』
瀬下幸治(※「瀬」は旧字体)『首』
西村貴志『こんにちは、母さん』
橋本創『レジェンド&バタフライ』
三ツ松けいこ/徐賢先『怪物』
■優秀録音賞
鈴木健太郎『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』
高野泰雄『首』
竹内久史『ゴジラ-1.0』
冨田和彦『怪物』
長村翔太『こんにちは、母さん』
■優秀編集賞
岩間徳裕『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』
北野武/太田義則『首』
是枝裕和『怪物』
杉本博史『こんにちは、母さん』
宮島竜治『ゴジラ-1.0』
■優秀外国作品賞
『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
『バービー』
『パリタクシー』
『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』
『TAR/ター』
■新人俳優賞※原則として映画初出演ではなくとも、主演・助演クラスの大役を演じ、印象を与えた俳優を対象とします。
アイナ・ジ・エンド『キリエのうた』
桜田ひより『交換ウソ日記』
原菜乃華『ミステリと言う勿れ』
福原遥『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』
市川染五郎『レジェンド&バタフライ』
黒川想矢『怪物』
高橋文哉『交換ウソ日記』
柊木陽太『怪物』
■協会特別賞 ※映画製作の現場を支える種々の職能に従事する、正賞以外のスタッフの栄誉を讃える賞。※運営・実行委員によって構成される選考委員の合議により選考されます。
大村弘二(オオムラ コウジ)【美粧・床山】
空閑由美子(クガ ユミコ)【キャスティング】
百束昭幸(ヒャクソク テルユキ)【ステインベック編集機の販売・保守・点検・修理】
村瀬継蔵(ムラセ ケイゾウ)【特殊美術造型】
■会長功労賞※永年にわたり多大なる貢献と顕著な実績をしるした映画人に対し与えられるもの
井川徳道【美術】
上田正治【撮影監督】
小林旭【俳優】
酒井賢【美術】
東陽一【監督】
矢部一男【照明】
■会長特別賞※永年にわたり多大なる貢献と顕著な実績をしるし2023年に逝去された映画人に対し与えられるもの (※没日順)
坂本龍一 【音楽】 3月28日没 享年71
阿部秀司 【プロデューサー】 12月11日没 享年74
■第47回特別賞※永年にわたり映画文化を支え発展に貢献した団体・人物の軌跡に対し与えられるもの
シネバザール
東京現像所