小芝風花、大声を出すのが苦手だった 主演映画で女将修行に奮闘
俳優の小芝風花が10日、都内で行われた主演映画『レディ加賀』(公開中)の公開記念舞台あいさつに登壇。「ロケ地が本当に素敵で。炎天下の大変な撮影でも地元の方が笑顔で参加してくれて、みなさんのお人柄に救われました。この作品で少しは恩返しができればと思います」と本作のロケ地である石川県の人々に感謝の気持ちを述べた。
【画像】小芝風花、美しいドレスで登場!森崎ウィン、眉村ちあきらと舞台挨拶
10年前に石川県加賀市にある加賀温泉を盛り上げるために結成された旅館の女将たちによるプロモーションチーム「レディー・カガ」から着想を得た本作。タップダンサーの夢に破れて加賀温泉にある実家の老舗旅館で女将修行を始めた主人公・樋口由香(小芝)が、地元を盛り上げるためにタップダンスのイベントを行うべく奮闘するさまをコミカルに描く。この日は、小芝のほか共演者の森崎ウィン、主題歌を担当した眉村ちあき、本作のメガホンを取った雑賀俊朗監督も登壇した。
小芝はタップダンスの練習に必死だったといい、一年半前の撮影をしみじみと振り返りつつ、「本当に難しくて……。お家にベニヤ板と、音を抑えるための緩衝材を買ってきて毎日練習していました」と紹介する。「9か月前から先生に教えてもらっていたんですけど、どうしても撮影とかで先生の元に行けない時は家で練習をしていました。(劇中の複雑な)ソロの振り付けをタップの先生に言われた時は『こんなの無理だって……』って涙が出そうになったり」と照れ臭そうに回顧。「なんとかこなしていますので見ていただけると嬉しいです」と呼び掛けた。
また、女将修行にも奮闘したと述べ、「個人的に女将修行の授業で嫌だと思ったのは、大きな声を出すシーン。(演じる)由香は困難があった時にその壁を乗り越えていくタイプというよりは逃げ出してしまうようなタイプで、実は私も今でこそ人前で発表をしたりする仕事をしていますけど、元々は苦手だったんです。嫌だなと思いながらやっていたのを思い出します」と振り返った。
共演の森崎は、そんなタップのシーンで共演者同士、チームワークが強くなったと指摘。「物づくりの裏側にある、みんなが一つになれる瞬間を見れたことはとてもいい経験になりました。小芝さんが主演だからみんながついて行こうとしていたと思います。現場がどんどん密になっていく雰囲気を感じられて良かったです」と話す。
小芝も森崎について「楽しそうにやっているのが印象的でした」と述べ、「いろんなアイデアを出してくださるのでいいなって思っていました。私は(森崎さんのコミカルな演技に)笑っちゃいけない立場。頼むから笑わせてくれるなと笑いをこらえるので必死でした」と話すと、森崎も「(小芝の)瞬発的な集中力の高さを感じました」と小芝の俳優としての意識の高さを絶賛。「テストをして、もっとこうできるというセリフのアイデアを投げると、パッと返してくれるんです」と小芝の機転の良さに驚かされたエピソードをしみじみと振り返っていた。(取材・文:名鹿祥史)