『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』ズゴックの反響は“想像以上” プロデューサーに聞くモビルスーツ登場秘話
アニメ「機動戦士ガンダムSEEDシリーズ」最新作となる『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』(全国公開中)の仲寿和プロデューサーがリモートインタビューに応じ、「想像以上だった」というズゴック登場への反響や、モビルスーツ(以下、MS)に関する裏話を語った。(以下、本編の内容に触れています)
【画像】新たなフリーダム降臨!『ガンダムSEED FREEDOM』新カット
2006年の制作発表から18年の歳月を経て公開された『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』は、公開1か月で興行収入34.8億円、観客動員数207万人を突破。1982年公開の『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』(興収23億円)を超え、ガンダムシリーズ劇場公開作品において歴代ナンバーワンの記録を更新した。
公開前から注目されていたのは、主人公キラ・ヤマトらおなじみのキャラクターが乗るMSだ。登場する機体のデザインは事前に発表されていたが、「誰がどのMSに乗るのか?」は公開まで伏せられていた。
仲プロデューサーによると、各MSのパイロットを事前に明かさないことは、方針としてすでに固まっていたという。「シン・アスカがイモータルジャスティスガンダムに乗っていることが、福田己津央監督を含めてクリエイティブ的に面白いポイントと捉えたからです。ファンの方々が、公開直前まで『誰が何に乗っているのか?』『シンはジャスティスなのか? 実はギャンじゃないか?』と意見を出し合っていたことを振り返ると、お客様に事前に楽しんでもらうという意味で、今回の方針は正しかったと思っています」
中でもファンを驚かせたのは、アスラン・ザラの機体だ。アニメシリーズからの流れでイモータルジャスティスガンダムと予想する声が多かったが、彼が今作で乗っていたのはズゴックだった。さらに、ズゴックはインフィニットジャスティスガンダム弐式を隠すための仮初の姿だったというまさかの設定も、ファンに衝撃を与えた。
ズゴックの登場は、仲プロデューサーが企画に参加した時にはすでに決定していたそうで、「当時はそんなに驚きはしませんでした」と振り返る。「『ガンダムSEED』では、ザクやグフなど宇宙世紀のMSを出してるので『ズゴックも登場するよね』という感覚でした。ただ、驚きだったのはズゴックの使い方ですよね。キャバリアーを使っていて、中にはインフィニットジャスティスガンダム弐式が入っている。実は仮の姿という説明もなしで、アスランがズゴックに乗って助けに来るので、インパクトがすごかったです。事前情報なしで初めて観た方は『それで出てくるんだ!』と驚いたと思います」
機体の情報が公式発表された際には、SNSで「ズゴック」がトレンド入りするなど、『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』をきっかけにズゴックの人気がさらに高まっている。公開後の反響は「想像以上でした」と仲プロデューサー。「ズゴック登場の情報を事前に発表してもいいのではないかと思っていた時期もあったのですが、福田監督や社内の話し合いの結果明かさない方針となりました。ファンの方の反応を見て、楽しんで頂けて良かったと改めて実感しております」と感慨深げに語っていた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)