磯村勇斗、『月』難役で初の最優秀助演男優賞!「たくさんの壁があった」
第47回日本アカデミー賞
第47回日本アカデミー賞の授賞式が8日、グランドプリンスホテル新高輪で行われ、俳優の磯村勇斗(31)が『月』の演技で最優秀助演男優賞に輝いた。磯村にとって同映画賞で最優秀賞の受賞は初となる。本作で危険な思想に駆られていく重度障害者施設の職員を演じた磯村は、「この映画『月』は参加するにあたっても、作るにあたっても、公開するにあたっても、たくさんの壁があって、本当に映画1本お客様に届けるのがどれだけ大変かというのを痛感した作品」と映画公開までの険しい道のりを振り返った。
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映画『月』は、実際に起きた障害者殺傷事件を題材にした辺見庸の小説「月」に基づくドラマ。重度障害者施設で働き始めた元作家の女性(宮沢りえ)が、施設内で横行する職員の入所者への暴力、虐待を目の当たりにしていく。監督は、映画『舟を編む』(2013)、『茜色に焼かれる』(2021)、『愛にイナズマ』(2023)などの石井裕也。磯村は、自身の抱く正義感や使命感を増幅させ、ある行動に走る施設の職員・さとくんを演じた。
同映画賞の第45回で、新人俳優賞(『ヤクザと家族 The Family』『劇場版 きのう何食べた?』の演技で)を受賞した磯村。最優秀助演男優賞のブロンズを受け取った磯村は「ちょっとびっくり……」と高揚しつつ「この華やかな映画祭、アカデミーでこのような賞をいただけたことを大変うれしく思います。この映画『月』は参加するにあたっても作るにあたっても公開するにあたってもたくさんの壁があって、本当に映画1本お客様に届けるのがどれだけ大変かというのを痛感した作品でもあり、自分は亡きスターサンズの河村(光庸)プロデューサーにお声をかけていただいて、そしてそれを石井裕也監督と共に、スタッフの皆さんと、キャストの皆さんとこの難しい作品を、挑戦して覚悟をもって臨んだので、今いただいた賞は自分でもらうというよりかは一緒に作り上げて最後まで公開することができたチームの皆さんと喜びを分かち合いたいなと思っております」とスピーチ。
「世の中はすごくまだ不安定なことがたくさんありますけど、自分の素足でしっかり地に足をつけてまたスクリーンで生きていきたいなと思っております。本当にありがとうございました」と意を新たにした。
2023年は本作のほか、『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-』『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -決戦-』『最後まで行く』『波紋』『渇水』『正欲』と計7本の映画が公開され飛躍の年となった磯村。報知映画賞、ヨコハマ映画祭、日刊スポーツ映画大賞、キネマ旬報ベスト・テンなどの映画賞で助演男優賞を総なめにした。
優秀助演男優賞は磯村のほか、伊藤健太郎(『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』)、大泉洋(『こんにちは、母さん』)、加瀬亮(『首』)、菅田将暉(『銀河鉄道の父』 )が受賞した。(編集部・石井百合子)