『ゴジラ-1.0』山崎貴監督、『オッペンハイマー』に「いつかアンサー映画を」決意のぞかせる
第96回アカデミー賞
11日、アメリカ・ロサンゼルスで行われた第96回アカデミー賞授賞式で、日本映画として初めて視覚効果賞を受賞した『ゴジラ-1.0』の山崎貴監督が、授賞式会場で行われたインタビューで、受賞の喜びと共に、作品賞を含む最多7部門で受賞した、クリストファー・ノーラン監督作『オッペンハイマー』について言及した。
アカデミー賞を席巻した『オッペンハイマー』は、“原爆の父”と呼ばれた物理学者、J・ロバート・オッペンハイマーの生涯を描く人間ドラマ。『ゴジラ-1.0』が、同作の「映し鏡のような気がするが」という質問を受けた山崎監督は「おそらく作っている時は、全くそういうことは意図されていなかったと思いますが、出来上がった時に世の中が非常に緊張状態になっていることには、すごく運命的なものを感じます」と返答。
さらに「『ゴジラ』というのは、戦争の象徴であったり核兵器の象徴であるゴジラを、なんとか鎮めるという話だと思うんですけど、その鎮めるという感覚を、世界が今欲しているんではないかなと。それがヒットの一部につながっているんじゃないかなと思います」と分析した。
そして「それとは別に」と続けた山崎監督は「『オッペンハイマー』に対するアンサーの映画……僕の個人的な思いとしてはいつか本当に、アンサーの映画を日本人としては作らなきゃいけないんじゃないかなっていうふうに感じています」と明かした。
大規模なハリウッド大作が並ぶなか、限られた予算のなかで圧巻の映像を生み出した『ゴジラ-1.0』。映像制作会社・白組のチームと共にVFXを担当した山崎監督は、今回の受賞が日本の映画業界に与える影響について、「日本の映画が海外でもある程度興行をしていけば、日本の環境も変わっていくと思いますし、僕らで変えていかなきゃいけないのかなって思っています。そのためにも、これからの行動が重要になっていくんじゃないかなと思っています」と業界のこれからを見据えた決意を明かした。(編集部・入倉功一)