『ゴールド・ボーイ』羽村仁成がヤバすぎると話題
岡田将生演じる凶悪殺人犯と、3人の中学生たちの駆け引きが恐ろしすぎると話題の映画『ゴールド・ボーイ』(公開中)。サイコパスの殺人鬼をはまり役で演じる主演の岡田はもちろん、注目を浴びているのがリーダー格の中学生を演じる羽村仁成(Go!Go!kids)。このところ俳優としてめきめきと頭角をあらわす羽村の真骨頂ともいえる演技に「演技力が化物過ぎる」「これからが本当に楽しみ」と驚きの声が上がっている(※一部ネタバレあり)。
本作は、本国の動画サイト「iQIYI(アイチーイー)」でドラマ化され、総再生回数20億回を突破する大ヒットを記録した中国のベストセラー小説を、舞台を沖縄に置き換えて映画化したサスペンス(※iQIYI JAPAN調べ)。妻(松井玲奈)の両親で那覇の有名企業の会長夫婦を殺害した主人公・東昇を岡田が、その犯行現場を偶然カメラで捉えた3人の中学生たちを羽村、星乃あんな、前出燿志が演じている。中学生たちが東と接触したのは、初めは襲いかかる義父をとっさに刺してしまった夏月(星乃)の窮地を救うために金を得ることが目的だったが、接触を重ねるうちに状況は刻一刻と変化。まったく先が読めないカオスに陥っていく。
羽村が演じるのは、完全犯罪を目論む東を追い詰めていくリーダー格の安室朝陽。学年トップの優等生で、広中杯(算数オリンピック)で優勝した経験があるほどの秀才だ。仲間の浩(前出)、その義理の妹・夏月と共に複雑な家庭環境にあり、朝陽も深刻だ。両親が離婚し、よりによって父(北村一輝)の再婚相手はクラスメートの母親。さらに、そのクラスメートが自殺し、彼女の母は朝陽が娘を殺したと言い張っている。
そんな暗い青春時代を送るなかで、用意周到な殺人犯の東と一歩も引かず渡り合う朝陽の孤独、心の闇をにじませた羽村が注目を浴び、公開後「超メイン張っててすごい」「演技力がとんでもない」「落ち着いた演技が凄かった」「演技やばすぎる」「魅入ってしまった」など圧倒される観客の声でにぎわっている。
撮影中は岡田が役づくりのために羽村、星乃、前出とコミュニケーションを取ることをあえて避けていたそうで、羽村は「距離を置いてくださっていたので役に没頭できた。映画の中でも撮影中の自分たちとのいい緊張感が映っていたので、ありがたいです」と2月に行われたPRイベントで撮影を振り返っていた。
羽村は、これまでドラマ「二月の勝者-絶対合格の教室-」(2021)で名門中学を目指す小学生を、「俺の家の話」(2021)で主人公・寿一(長瀬智也)の息子で学習障害と診断された孤独な小学5年生を好演。お笑いコンビ・錦鯉の半生を描いた「泳げ!ニシキゴイ」(2022)では森本慎太郎演じる長谷川雅紀の中高生時代役で話題に。そして、オーディションに臨み映画初出演にして大役を射止めたのが行定勲監督のハードボイルドアクション『リボルバー・リリー』(2023)。長浦京の小説を原作に、大正末期に生きる元スパイの小曾根百合(綾瀬はるか)を主人公にした本作で、羽村は謎の男たちに追われ百合と共に逃避行を繰り広げる少年を演じた。昨年7月末に行われたPRイベントでは主演の綾瀬が「すごく表情がよくて、いろんなことが伝わって来て、感性が豊かだなと思いました。可愛くて、よく食べて、ダンスも上手で、魅力と才能の塊だと思いました」とその才能を絶賛していた。(石川友里恵)