山田尚子監督『きみの色』主演声優は鈴川紗由、高石あかり、木戸大聖!1600人のオーディション勝ち抜く
「けいおん!」「響け!ユーフォニアム」シリーズなどの山田尚子監督の長編アニメーション映画『きみの色』の製作報告会が18日、都内で行われ、1,600名を超えるオーディションを経て主人公3人の声優を勝ち取った鈴川紗由、高石あかり(※高は「はしごだか」)、木戸大聖が登壇した。イベントには山田監督とプロデューサーの川村元気も参加し、公開日・声優キャストが発表されると共に、キャラクタービジュアルや本編を使用したスペシャル映像も公開された
本作は、人が色で見える女子高校生・日暮トツ子と、トツ子と同じ学校に通っていたが突然中退した作永きみ、離島に住む音楽好きで物静かな男の子・影平ルイ、それぞれ誰にも言えない悩みを抱える3人が音楽で心を通わせていくストーリー。『映画 「けいおん!」』『映画 「聲の形」』などの山田尚子が監督を務め、脚本に吉田玲子、音楽・音楽監督に牛尾憲輔、キャラクターデザイン・作画監督に小島崇史と、これまで山田監督と組んできたスタッフが集結する。
全寮制の学校に通うトツ子の声を担当するのは鈴川。子供のころから人が「色」で見えるが、唯一自分自身の「色」だけは見えない設定。鈴川は本作への参加が決まった時の心境を「私は事務所の方にサプライズで合格を教えていただいたんですけど、最初聞いた時は嬉しいという感情がまだなくて、信じられなくて頭が真っ白になって、涙が止まりませんでした」と振り返る。声優はやりたかったことだったとも述べ、「結果が来るまでご飯が喉に通らないくらい緊張していたのでホッとしました」とも。
高石が演じるのはトツ子と同じ学校に通っていたが、突然中退したきみ。同居する祖母に辞めたことを言えず、毎日学校に行くふりをしながら古本屋でアルバイトをしている。高石も「毎日不安で、受かるという想像をしていなかったので、びっくりしました。山田さんの作品が好きで、シーンを繰り返して見るくらいだったので、その山田さんの作品に出演できるのが本当に嬉しくて頭が真っ白になりました。(本作は)映像美がすごくて、監督の描く一つ一つの線にすごくこだわりを感じました。素敵な映像作品になっていると思います」と喜びを爆発させる。
木戸が演じるのは、離島に住む、音楽好きで物静かな影平ルイ。母親に家業の病院を継ぐことを強く期待され、好きな音楽の道に進みたい本心を隠している。木戸は「監督の作品に出れる喜びが押し寄せてきて、声の仕事は初めて。長い間準備されていた作品で、声を入れるのはキャラクターに魂を宿らせる行為、正直不安もプレッシャーもありました」と率直な胸の内を明かした。
鈴川はアフレコついても触れ、「誰もが経験する思春期の悩みなど、共感できる場面がたくさん。3人の日常を覗き見している感じがしてほっこりしました。高石さんはクールな方かなと思っていたらたくさんお話をしてくれて笑い声が素敵だなって。木戸さんは穏やかな雰囲気を纏っていて安心感のあるお兄さん的な存在だなと思いました」と共演者の印象を述べ、山田監督についても「私は関西出身。山田監督の関西弁に親近感がわきました」と振り返っていた。
本作は8月30日より全国公開。イベントでは、主人公3人を導くキーマンとなるシスター日吉子の声を新垣結衣が担当することも発表された。(取材・文:名鹿祥史)