『ゴジラ-1.0』スピルバーグ宅に一番くじのゴジラフィギュア 山崎貴監督がほのぼの秘話告白
第96回アカデミー賞視覚効果賞を受賞した映画『ゴジラ-1.0』の山崎貴監督が20日、TOHOシネマズ日比谷で行われたアカデミー賞受賞記念大ヒット御礼舞台あいさつに出席。会場からの「おめでとう」という声に、「感無量です。まさかこんな結果が待っていようとは」としみじみ語ると、ハリウッドで対面したスティーヴン・スピルバーグ監督との秘話を明かした。イベントには、神木隆之介、浜辺美波、青木崇高、吉岡秀隆、佐々木蔵之介も参加した。
日本時間11日に発表されたアカデミー賞で、日本映画初の視覚効果賞を受賞した本作。アカデミー賞の歴史上、監督として視覚効果賞を受賞したのは『2001年宇宙の旅』のスタンリー・キューブリックのみで、山崎監督はキューブリック監督以来、55年ぶり史上2人目の受賞監督となった。
舞台あいさつは全国348館に生中継されたが、神木の「世界の貴におめでとうと言いましょう」という音頭のもと、館内からは山崎監督への祝福の声が至るところからあがる。山崎監督は「必死にいいものを作ろうとしていただけなのですが、まさかこんな結果が待っていようとは思わなかった」と感無量な表情を浮かべると、受賞してからお祝いのメールが後を絶たないようで「とにかくたくさんの方から連絡をいただきました」と反響の大きさについて語る。
青木から受賞時のスピーチについて、「前もって考えていたのですか?」と問われた山崎監督は「ひどいスピーチでいろいろな人に弄られましたが……」と苦笑い。「事前に下書きするぐらいの期待をしていたのですが、何度も書き直しをして、字が汚くなってしまい、壇上で読めなくなってしまったんです。ひどい発音でしたよね。正直アメリカの人には全く伝わっていなかったと思いますが、皆さんとても温かくて助かりました」とジョークを交えて語っていた。
神木からはスピルバーグ監督とのエピソードについて質問されると、「僕が持っているゴジラ(のフィギュア)をすごく欲しそうにしていて『どこで買えるの?』と聞くんですよ」と告白。「『これは一番くじなので買えないんですよ』と説明しても欲しがっている様子だったので、『いりますか?』と聞くと『もらえるの?』というので、二つあるうちに一番くじの方をあげたんです。彼の家には一番くじのゴジラがあります」とほのぼのエピソードを明かし、会場を笑いに包み込んでいた。
さらに山崎監督は、佐々木からの「オスカー獲ると賞金もらえるのですか?」という直球質問に「獲らなかった人には結構なスポンサーからのお土産があるようなのですが、獲得した僕らにはなかった」と語る。畳みかけるように佐々木が「日本円で言うならいくらぐらいの価値?」と聞くと、山崎監督は「プライスレスです」と爽やかに回答していた。(磯部正和)