『マッドマックス』若きフュリオサの長い髪は「豊穣の証」 最新作で“髪を剃る瞬間”を描く意味
映画『マッドマックス:フュリオサ』(5月31日全国公開)で主人公・フュリオサを演じるアニャ・テイラー=ジョイが、本作で描かれる彼女の髪型の変化について語った。
【動画】フュリオサvs最狂の将軍!『マッドマックス:フュリオサ』本予告編
前作『マッドマックス 怒りのデス・ロード』ではシャーリーズ・セロンが演じたフュリオサは、荒野の支配者イモータン・ジョーに反旗を翻した、丸刈り頭&義手の女戦士。本作では、世界の崩壊から45年後を舞台に、家族から引き離され、人生を懸けて故郷へと帰ろうとする若きフュリオサの“修羅の道”が描かれる。
初めて観た『マッドマックス』シリーズは『怒りのデス・ロード』だったというアニャ。「あの映画は、私にとって衝撃的なほど素晴らしかった。最後に立ち上がって拍手をして、人生で最高の映画を観たんだと実感したのを覚えています」とアカデミー賞作品賞にもノミネートされた同作を絶賛している。
アニャは、丸刈り姿でフュリオサを熱演したシャーリーズの姿を通して、キャラクターに恋したという。「シャーリーズの解釈はとても素晴らしい」と語ると、「何よりもまず、脚本にあるキャラクターのストーリーを伝える責任があると思う」とシャーリーズとは異なる、前日譚としてのフュリオサ像を表現することに集中したと明かす。
「脚本が私に多くのものを与えてくれるので、とても幸運だったと感じます。故郷から連れ去られ、人生ですべての非常に恐ろしいことを経験している若いフュリオサを正確に演じることに集中したんです。ウェイストランド(前作の舞台となった荒野)にはとても多くの脅威があり、極限状態で生き延びようとするキャラクターたちが描かれています。彼女が人生で経験するさまざまな脅威を通して、キャラクターの物語を語ることができて、とても充実していました」
すでに公開されている予告編には、長髪のフュリオサが自ら髪を剃り、『怒りのデス・ロード』のようなルックになる瞬間が収められている。「(メガホンを取った)ジョージ・ミラー監督にとって本当に重要だったことのひとつは、15年越しの物語を描くということ。それを表現するとても簡単な方法は、肉体的な変化です」とアニャは明かし、歴史上において長い髪は「豊穣の証」とされてきたと補足する。
「髪が伸びたりなくなったり……歴史上ずっと、長い髪は豊穣の証とされてきました。フュリオサは、ウェイストランドで長い間、かつての自分として『緑の地』に戻ることを望んでいたと思います。そして、彼女が髪を失ったとき、純真さが大きく失われたと私は見ているんです」
アニャは「ファンとしては、それ(フュリオサが髪を剃ること)が起きた瞬間を見たい」とも強調している。「なぜなら、それは『緑の地』からやってきた人物を断ち切ることに近いから。まるで何事も起きなかったかのように戻ることができる人物を、断ち切ることなんです。そして、それはフュリオサが今生きている世界の産物であることを如実に示しています」(編集部・倉本拓弥)