西島秀俊、黒沢清監督と8年ぶり・5度目タッグ 青木崇高と『蛇の道』出演
柴咲コウ主演・黒沢清監督の日仏共同製作の映画『蛇の道』(6月14日公開)に西島秀俊と青木崇高が出演することが9日、明らかになった。西島はパリで精神科医として働く小夜子(柴咲)の患者・吉村を、青木は小夜子の夫・宗一郎を演じる。西島にとって黒沢作品への出演は5度目・約8年ぶりとなる。あわせて二人が演じるキャラクターが収められた場面写真と、撮影風景を収めたメイキング写真も公開された。
本作は、1998年に日本で劇場公開された同名映画を黒沢監督自らリメイクするサスペンス。何者かによって8歳の愛娘を殺された父アルベール・バシュレ(ダミアン・ボナール)が、偶然出会った精神科医・新島小夜子(柴咲)の協力を得て、犯人を突き止め復讐しようとする描くストーリーで、全編フランスロケ、フランス語で撮影された。
西島にとって黒沢組への参加は、映画『ニンゲン合格』(1999)、『蟲たちの家』(2005)、『LOFT ロフト』(2005)、『クリーピー 偽りの隣人』(2016)に続き5度目。「黒沢監督と再びご一緒できたこと大変嬉しく思います。『蛇の道』はとても好きな作品です。あの復讐の物語が再び描かれる。しかも舞台はフランスということを聞き、驚き興奮しました。私が演じた吉村は、監督が実際に会ったことのある人物にインスパイアされて出来上がったと伺い、現場で一緒に人物像を作り上げていきました。作品をご覧になる皆様に吉村という人間がどのように映るのかとても興味があります。そして柴咲さんと再び共演し、その鋭い感性と高い集中力に引き込まれる事で、小夜子と吉村の独特の緊張感を生み出すことが出来たのではないかと感じています。『蛇の道』は復讐の果てにはいったい何があるのかが描かれています。これまでに見たことのない物語が待っていると思います」とコメントを寄せた。
青木は「緊張と狂気をはらんだ物語とは全く違って、現場の雰囲気は監督のお人柄が映し出されているような、とても温かく心地のよいものでした。フランスの現地スタッフに敬意を払いながら、1カットずつ丁寧に撮られる姿はとても印象的でした。主演の柴咲さんは、撮影前からしばらくフランスで生活されていたからなのでしょう、佇まいがしっかりと馴染んでいて、大変驚きました。また立ち姿がとても美しく感じました。国内外に多くのファンを持つ黒沢清監督の作品に関われたこと、同じ日本人としてとても誇らしく思いました。この映画を世界のより多くの方に観ていただきたいです」と撮影を振り返っている。
黒沢監督は、二人の撮影現場での様子について「西島さん、青木さん、共にたった一日のパリロケでしたが、この映画に素晴らしい多様性と華やかさと、そしてただならぬ緊張感とをもたらしてくれました。現場では、柴咲さんも久しぶりの日本語の芝居でずい分リラックスしていらっしゃいましたが、いざカメラが回り始めると、互いの腹を探り合うような、お二人との不穏なやりとりに、フランス人スタッフたちもただただ圧倒されていたようです」と語っている。
場面写真では、精神を病んだ吉村(西島)が小夜子(柴咲)のもとへ診察に訪れ虚ろな目でじっと何かを訴えるような様子や小夜子の側面に立ち生気の無い顔で見下ろす姿、そして宗一郎(青木)が薄暗い殺風景な部屋でパソコンに向かい、パリで暮らす小夜子にオンラインで語りかける姿などが収められている。(編集部・石井百合子)