石原さとみ、いきなりの涙に「早い!」 一度は断られるも…直談判の末につかんだ主演作に感慨
女優の石原さとみが16日、都内で行われた映画『ミッシング』の完成披露試写会に登壇。冒頭の一言あいさつで突然涙を見せ、本作への思いを語った。この日は石原のほか、共演者の中村倫也、青木崇高、森優作、小野花梨、細川岳、メガホンを取った吉田恵輔監督(吉はつちよし)も登壇した。
本作は、失踪した娘の美羽(有田)を捜す母親・沙織里(石原)が、焦りや怒り、夫の豊(青木)との溝に苛まれるなか、インターネット上での誹謗中傷などによって、心をむしばまれていく姿を追ったヒューマンドラマ。
石原は冒頭のあいさつ中、突然声を詰まらせ、目に涙を浮かべて「早い!」と苦笑い。「実はこの舞台あいさつを前に、試写を観てくださった方から、いろいろな言葉をかけてもらったんです。本当に幸せだなと感じます」と明かし、本作について「私の夢がかなった作品。それを皆さんにお届けできることが本当に嬉しい」と感慨深げに語る。
さらに石原は「今から、7年前に『今のままでいけない』『変わりたい』『自分を壊してほしい』という衝動に狩られまして、私を変えてくれる人はいないかと探していたら吉田監督の作品と出会ったんです。『この人なら私のことを変えてくれる』って直感がありました」と告白。「そこから監督を知っている人を探して、プライベートでお会いしに行って、(出演を)直談判したんです。でも、『出させてほしい』とお願いしたら、一度目は断られました」と明かす。
それから3年間、吉田監督から音沙汰がなかったというが、急展開で本作への出演が決定する。石原の直談判を断った理由を尋ねられた吉田監督は「『出たいです』と言われて最初は『苦手なんです』と断ったんです。石原さんの華がすごくて。僕の作品は下町が舞台になることが多いので」と説明。「でも今回、新しい脚本を書いて、石原さんをちょっとこちらの世界に引きずり込めないかと考えたんです。ある種、ギャンブルでした」と起用の理由を明かしていた。
また、中村は石原と19年ぶりの共演であったことを明かし、「同じ年で同じ誕生日で同じ血液型なんです」と不思議な縁を紹介。「久しぶりで嬉しいなって。初日に撮影現場に行くと、ものすごく感慨深くて……。なんでだろうと思ったら、『石原さとみの背中をたぶん、僕はずっと追いかけてたんだな』っていうことに気付いたんです。僕が仕事を始めたころ、さとみちゃんはすでに同世代のトップだったので……」としみじみコメント。石原の顔を振り返りつつ、「今日も一緒に取材を受けていてずっと嬉しくて」と笑顔を見せていた。(取材・文:名鹿祥史)
映画『ミッシング』は5月17日より全国公開