『キングオージャーVS』スパイダークモノス&キョウリュウブルー演じ分け秘話 スーツアクター・高田将司の奮闘
Vシネクスト『キングオージャーVSドンブラザーズ』『キングオージャーVSキョウリュウジャー』でスパイダークモノスとキョウリュウブルーのスーツアクターを担当した高田将司がインタビューに応じ、異なるヒーローを演じることについて、変身前の俳優や監督との裏話を交えて語った。
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スーパー戦隊「VSシリーズ」第30作は、2月に最終話を迎えた「王様戦隊キングオージャー」と「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」「獣電戦隊キョウリュウジャー」がコラボレーションする初の2本立て構成。『キングオージャーVSドンブラザーズ』は、死の国ハーカバーカを舞台にキングオージャーとドンブラザーズの直接対決を描き、『キングオージャーVSキョウリュウジャー』では、キョウリュウジャーが時空改変の影響で宇蟲王となったギラに挑む。
スパイダークモノスは「力強さを出しすぎないこと」
追加戦士のスーツアクターとして「キングオージャー」テレビシリーズに途中参加した高田は、地帝国バグナラクの王となる“語り部”ジェラミー・ブラシエリ(池田匡志)が王鎧武装して変身するスパイダークモノスを担当した。
「(ジェラミーは)第1話から語りとして登場していて、池田くんはすでにジェラミーを構築していたと思うので、僕が初めて彼の芝居を見た時には、キャラクターがかなり出来上がっているように見えました。蜘蛛仮面として出てきた時も、監督から『もっとこうして』という要望もあまりなくて、どんどん撮影が進んでいきました。他の5人と絡んでいく中で、役の幅が広がって、実は世間とずれていたりとか、コミカルな部分は池田くんが出していきました」
スパイダークモノスは、蜘蛛の如くしなやかでトリッキーな動きが特徴的だ。撮影では、ワイヤーを駆使して軽快なアクションが生み出された。「基本的な動きは、アクション監督があらかじめイメージを作ってくださるので、僕は決められた動きを演じていました。スパイダークモノスは、力強さをあまり出さないように注意しています。僕が今までやらせていただいた役は、割と元気いっぱいだったり、気持ちを前面に出す熱血さを備えていることが多かったので、今回はしなやかさを出すように意識していました」
肩の力を抜いて演じるキョウリュウブルー
テレビシリーズ第32話と第33話では、Vシネクストに先駆けて、10周年を迎えた「キョウリュウジャー」とのコラボ回が描かれた。高田はかつて、“ノッさん”こと有働ノブハル(金城大和)がキョウリュウチェンジするキョウリュウブルーのスーツアクターも務めており、スパイダークモノスと一人二役で演じ分けた。
「キョウリュウブルーは初めて演じたレギュラーのヒーローなので、思い入れがあります。ノッさんは面白おじさんのようなフランクな役柄なので、スパイダークモノスよりも少し肩の力を抜いて演じることができます。気持ちも楽になれたので、とても楽しかったです」
『キングオージャーVSキョウリュウジャー』では、金城はもちろん、主演の竜星涼をはじめ、斉藤秀翼、塩野瑛久、今野鮎莉、丸山敦史、飯豊まりえといったオリジナルキャストが再集結する。高田は「この10年間でいろいろな仕事を経験して成長してるはずなんですけど、キョウリュウジャーとして戻ってくると、みんな変わっていないんです。みんなでワイワイお喋りしていました」と懐かしそうに振り返った。
大事なのは楽しく演じること!坂本組の良さ
「獣電戦隊キョウリュウジャー」テレビシリーズでメイン監督を務め、Vシネクストでも監督&アクション監督を兼任した坂本浩一が手がける、素面アクションも見どころの一つ。「坂本監督は、アクションをかっこよく見せたいという強いこだわりがあります。みんなに少し難しいことを要求して、さらにかっこよく演出する撮り方は、監督の素敵なところです。素面アクションは、長いカットや手数が多くて難しい時もありますが、キャストはそれを難なくこなすんです。新作を観れば、当時の『キョウリュウジャー』が帰ってきたと間違いなく思っていただけるはずです」
キャストやスーツアクターのアイデアを積極的に取り入れることも、坂本組の醍醐味だと高田は強調する。「キョウリュウブルーのコミカルな動きとかは、僕と金城さんで『こうやろう』と提案してやっていました。坂本監督も笑ってよしと言って、シーンを面白く成立させてくださるので、本人たちが楽しく演じていたらOKという雰囲気でいつも撮影していました」
一つの作品でヒーローを演じ分けたのは「おそらく僕だけです」と笑顔で語った高田。「スパイダークモノスとキョウリュウブルーの違いがうまく出ているはずですが、『あれ、スパイダークモノスもちょっとコミカルに寄っちゃっているんじゃない? キョウリュウブルーなのにかっこつけすぎじゃない?』という点にもぜひ注目して観ていただきたいです(笑)」とアピールしていた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)
Vシネクスト2本立て『キングオージャーVSドンブラザーズ』『キングオージャーVSキョウリュウジャー』は4月26日(金)より新宿バルト9ほか期間限定上映/Blu-ray&DVDは10月9日(水)発売