山崎貴監督「監督になった原点はある種彼女」 妻・佐藤嗣麻子監督をサプライズで祝福
『ゴジラ-1.0』の山崎貴監督が20日、都内で行われた映画『陰陽師0』(公開中)の公開記念舞台あいさつにサプライズで登壇し、本作のメガホンを取った夫人の佐藤嗣麻子監督を祝福した。
本作は、シリーズ累計発行部数680万部を超える夢枕獏の小説を原作に、平安時代に実在した呪術師・安倍晴明が陰陽師になる前の知られざる学生時代を描くオリジナルストーリー。『K-20(TWENTY) 怪人二十面相・伝』『アンフェア』シリーズの佐藤嗣麻子が監督・脚本を務めた。イベントには主演の山崎賢人(※崎は「たつさき」)をはじめ染谷将太、奈緒、安藤政信、板垣李光人らキャストが集結した。
山崎監督はイベント終盤、主演の山崎が締めのあいさつを行う際、「今日はこの作品をお祝いしてくれる方がもう一人来ています」と紹介され、壇上に姿を現した。登壇を聞いていなかった佐藤監督はびっくりしてその場に座り込んでしまい、「びっくりした。(佐藤監督は)朝、ずっと寝てたのに」と苦笑いを見せた。
山崎監督は五芒星にちなんだ星型の花・リューココリーネの花束を佐藤監督にプレゼント。花言葉が「信じる心」であることも紹介された。二人は同じ専門学校に通っていた縁で知り合ったと言い、当時は佐藤監督のVFXを山崎監督が担当していたことも明かされた。佐藤監督は「山崎くん、あなた、自分の名前が出るのにこんなのでいいの?」と当時、山崎監督にかけた言葉などを紹介。「(友達だったのが組んだ途端)ものすごい怖い監督になっていた」とユーモアを交えて振り返る。
そんな佐藤監督と組むうち、山崎監督は「こんなに辛い思いをするんだったら、自分の作品を作った方がいい」と思い、その後監督をするようになったとも。「監督になった原点はある種彼女です」と笑顔で語った。一方、佐藤監督の方も「山崎くんを羨ましがらせたかった」ことが監督になった動機だったと明かしていた。
本作を鑑賞したという山崎監督は「本当に良かった」と絶賛。「これを作りたかったんだなって思いました。長いこと『陰陽師』を作りたがっているのを知っていたので、やっと成就したんだなって」と佐藤監督をねぎらい、「今までの戦いは無駄じゃなかったんだなって。作れて良かったなって僕も思いました」と感慨深げだった。(取材・文:名鹿祥史)