高橋一生「岸辺露伴」新作で体を張った演技!「一瞬で気を失いそうに」
「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズの漫画家・荒木飛呂彦の原作を高橋一生主演で実写化したNHKドラマ「岸辺露伴は動かない」の新作エピソード「密漁海岸」(5月5日午後1:00~2:00・BSP4Kで先行放送、5月10日よる10:00~11:00・NHK総合で放送)の試写会・出演者会見が22日、渋谷のNHK放送センターで行われ、主演の高橋が共演の飯豊まりえ、脚本・演出の渡辺一貴、制作統括の土橋圭介と共に登壇。体を張った水中でのシーンについて「息ができなくて、こんな一瞬で気を失いそうになるんだとかっていうことが色々と……」と裏側を明かした。
高橋演じる相手を本にして記憶を読む能力を持つ漫画家の岸辺露伴が、担当編集の泉京香(飯豊)と共に奇怪な事件に遭遇していく本作。「密漁海岸」で露伴が対峙するのは、伝説の幻のアワビ。露伴は家の近くにひっそりとオープンしたイタリアンレストランで、客の体の悪いところを改善させる不思議な力を持った料理を提供するシェフのトニオ・トラサルディ(Alfredo Chiarenza)と出会う。露伴に、どんな病気でも治してしまうという伝説のヒョウガラクロアワビを手に入れようと密漁を持ちかけるトニオ。彼には、重い病気を抱えたフィアンセ・森嶋初音(蓮佛美沙子)がいた。
制作統括の土橋いわく、2020年からシリーズが始まり、今回初めてマスクなしでの撮影となった。高橋は「感慨深い」という土橋の言葉を受け、「今回初めて顔の全貌を確認することができた方が多々いらしてですね。そういえば2019年まではこういった形で撮影ができていたなという気持ちは僕の中では感慨深いというか、感動する出来事でした。これだけ長く一緒に撮影をさせていただいているチーム、スタッフさん1人1人の笑顔、充実した顔だったりを現場の中で確認しながら。スタッフが1番最初のお客さんだと思っているので、僕にとってはようやくお芝居をやって楽しいなと思えるエネルギーがすごく強く伝わってくる、久しぶりの現場だったなと思っています」と喜びをあらわにした。
「密漁海岸」は、「ファンの皆さんから映像化してほしいという声が多かった作品」だという。渡辺監督は「満を持して、今までやろうと思っていても手の届かない存在だった「密漁海岸」に、ようやく5年目にして手が届いた」と映像化にこぎつけた心境を語ると同時に、「そういう意味では、これまでの4年間の蓄積がここに出ていますし、今回はそれプラス新しい露伴というか、多分今までで1番体を張っていただいているかなと思いますので、そういった面でも今までの安定感プラス新しいチャレンジっていうものが凝縮されているのかなと思っております」と本作における高橋の演技にも言及。
その“体を張った”水中での演技について、高橋は「体力的な問題はあんまり考えたことなかったんですけれど、息が続かないとか、肺は本当に浮き袋なんだなと実感しましたね。 呼吸をしないで、吐ききった状態でないと体って沈まないんですね。なので、吐ききったところからスタートするんですけれど、今度はカットがかかった後、上がっていけないっていうことがあって。あまり伝わらないかもしれませんが、もっととんでもないことが起きていてですね……。息ができなくて、こんな一瞬で気を失いそうになるんだとかっていうことが色々と……」と格闘した撮影を振り返りながら、水中撮影チームの尽力もあり「映像としては臨場感があり、なおかつある意味芸術的なカットに仕上がっているんじゃないかなと思っています」と自信を見せた。
飯豊もそのシーンを見学したといい「普段は自分が出演していないところは放送を見てからのお楽しみにしていたんですけど、今回初めて見学させていただいて。一生さんを見ているだけでこちらも息が止まってしまいそうなぐらい、その身体能力のすごさだったり、みなさんのチームワークを目の当たりにして、改めていいチームワークで撮影させていただいてるなっていう風に思いました」と興奮気味に振り返った。
なお、試写会にはシェフのトニオ・トラサルディを演じるAlfredo Chiarenzaも来場。高橋は「会った瞬間トニオだと思いました」と言い、共に水中での撮影を乗り越えたことを振り返るとともに「作品のグレードを上げてくださっている。今回は彼が主役」と称えていた。
本シリーズは「ジョジョの奇妙な冒険」のスピンオフ漫画である「岸辺露伴は動かない」を原作のメインとし、2020年から2022年にかけて3シーズンにわたって計8エピソードを放送。昨年5月には、パリでロケを行った劇場版『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』が公開された。(取材・文:編集部 石井百合子)