『ゴジラxコング』凶悪な新タイタン・スカーキング誕生秘話 「自分が世界一だと思っている」態度にこだわり
映画『ゴジラxコング 新たなる帝国』(全国公開中)で二大怪獣の前に立ちはだかる、凶悪な新タイタン・スカーキング。メガホンを取ったアダム・ウィンガード監督をはじめとするスタッフ陣は、スカーキングのデザインや動きに関するこだわりを映画の公式インタビューで語っている。
ゴジラとコングの“新たな脅威”であるスカーキングは、地下空洞に築いた王国でタイタンたちを支配している。ウィンガード監督は「スカーキングは、悪の独裁者の典型です」と表現するように、地下空洞に住む猿の部族を恐怖で支配し、労働者として扱っている。
「スカーキングは古代の邪悪な存在で、人類の暗黒面を象徴していると思います。彼は基本的に、地下空洞に住む猿の部族を支配し、そこでショーを運営し、利己的な方法で行動しています。映画の中で、彼の玉座の部屋のショットで、明らかにミニスケールである小さな類人猿とともに、隅に小さなハーレムが見える瞬間があります。彼は長い間、この猿たちを自分の下で働かせ、ショーを運営してきました。基本的に、この猿たちは地獄に住んでいます。彼らはみな失われた魂であり、彼は悪魔なのです」(ウィンガード監督)
スカーキングをデザインするにあたり、ウィンガード監督はプロダクションデザイナーのトム・ハンモックと共に、他の類人猿を狩ることで生活している類人猿のコミュニティーをリサーチした。
「彼らには他の霊長類とは違う表情があります。何かとても原始的で、何かとても邪悪な感じがする。彼らは信じられないほどの強さを持っています。だから私たちは、この類人猿のグループ、つまり彼らの生き方や行動を見て、顔の特徴や手の使い方、彼らがすることを描き始め、それが私たちのキャラクターの基礎となりました」(ハンモック)
スカーキングを凶悪なタイタンとして描くために、スタッフ陣はキャラクターの態度やジェスチャーにもこだわっている。VFXスーパーバイザーのアレッサンドロ・オンガロは「スカーキングに、自分が世界一だと思っているような態度を与えたかった」と語り、「彼は誰も気にしないし、誰も尊敬していない。コングのことも気にしない。その個性が身振り手振りを通して伝わるようにしたかった」と説明する。
またオンガロは、スカーキングの歩き方はオランウータンにインスパイアされたものだと明かしており、「態度はかなり悪い。彼は映画の中では本当の悪者だ。自分のために働く奴隷を持っている。彼は無敵だと思っている。彼がコングと戦うとき、ためらいはない」と凶悪さを語っていた。(編集部・倉本拓弥)