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柴咲コウが『バトル・ロワイアル』超えの獰猛さ!黒沢清監督が恐ろしさ絶賛

柴咲コウ
柴咲コウ

 柴咲コウが20日、グランドシネマサンシャイン池袋で行われた主演映画『蛇の道』(6月14日公開)完成披露試写会の舞台挨拶に出席し、初タッグを組んだ黒沢清監督から『バトル・ロワイアル』超えの「どう猛な動き」と称賛された。この日は共演者の西島秀俊青木崇高も来場した。

【画像】柴咲コウ×西島秀俊×青木崇高、シックな装いで登壇!

 1998年に公開された哀川翔主演の同名映画を、黒沢清監督が自らフランスを舞台にリメイクした本作。幼い娘の命を何者かに奪われた父親が、謎の心療内科医の力を借りてリベンジを果たそうとするさまを描き出す。心療内科医・新島小夜子に柴咲、娘を亡くした男アルベール・バシュレにフランス人俳優ダミアン・ボナール、小夜子の患者・吉村に西島、小夜子の夫・宗一郎に青木がふんする。

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 ステージに立った柴咲は「ちょうど1年前にクランクアップして。充足感があったんですけど、映画をご覧いただけること、うれしく思っております。内容としては重たいリベンジ・サスペンスだと思いますけど、楽しんで観ていただけたら」とあいさつ。続いて黒沢監督は「日本の有名な俳優さんが出ていますが、フランス映画ですので心して観ていただければ」と呼びかけた。

 25年以上前に公開された映画をセルフリメイクした経緯について、黒沢監督は「25年以上に哀川翔さん主演で撮ったVシネマがあったんですが、脚本を書いたのが僕の友人である高橋洋という男で。後に『リング』という有名なホラー映画(の脚本)を書くことになるんですが、彼が書いた脚本が非常に面白くて。普遍的な物語だよなと思っていました。25年前につくったVシネマは自分でもよくやったなと思っていましたが、非常に高橋色が強かった。それはそれでひとつの傑作だとは思っているんですが、これをもう一度自分の色に染め直してみたいなと。そこで高橋色を抜いて、同じ物語を僕がもう一度構築してみたらどうなるのかと思ったのがきっかけだった」と明かした。

 初の黒沢組に参加した柴咲は「わたしは初めてご一緒させていただきましたが、(黒沢監督は)本当にすごい方なんです」と振り返り、「でもフランスでご一緒した時は、すごいとかそういうのは一切排除して。一対一で対等に話し合ったりとか、セッションするのが非常に心地よかった」と述懐。役へのアプローチについて「クランクイン前にいろいろと不安や懸念を払拭したいと思って。あれこれ聞きたいモードになってしまったんですけど、それは愚問でした。現場では小夜子というフィルターを通して具現化していくセッションだと気付いて。その前に情報収集しようとしたわたしがバカでした」とも。

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 そんな柴咲について黒沢監督は「観てのお楽しみですが動きがすごいですね。どう猛というか。(柴咲が出演した)『バトル・ロワイアル』(2000)超えというか。柴咲コウってこんなに動けるのかと。もちろんそれだけではないんですが、まずは肉体のものすごさ。それは必携に値すると思います」と絶賛。柴咲も「蛇のように、ササササッという感じですかね」と笑いながら返した。

 柴咲は本作でフランス語の猛特訓を経て撮影に臨んだが、「とにかくフランス語はまったく話せなかったので。クランクインの半年くらい前から練習をできるようにして。3か月くらい前になって、このペースでは間に合わないと焦りはじめて、集中して取り組んだという感じなんですが、基本はセリフに特化した練習法という感じでした」とのこと。「パリで生活をしている女性」を体現するために、クランクインの1か月ほど前からは実際にパリで生活することにしたという。

 「本当は撮影のちょっと前に入ってもいいとは思うのですが、付け焼き刃感があるのも嫌だったので。アパートを借りて自炊をしながら。スーパーマーケットで野菜を買って。トボトボ歩きながら。玄関の扉を開け、キッチンで料理をつくるということを毎日重ねて、そこから1か月かけて馴染(なじ)んでいった感じでした」と振り返った。そんな柴咲に、青木も「僕が入ったのは撮影の終わりくらいだったと思いますが、カメラの前に立つ柴咲さんは何年もパリで生活しているような女性像になっていて驚きました」と圧倒された様子だった。

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 一方、黒沢監督と5度目のタッグとなる西島は「黒沢監督はフランスでもとても尊敬されていて。どんな演出するんだろう、何を言い出すんだろうといったような空気が満ち満ちていて。どこで撮っても黒沢監督の現場はそうなるんだなと思いました」とフランスでの黒沢人気に触れる。最後に黒沢監督は「フランスでは有名な癖のある俳優たちが次から次へと出てきます。その強烈な人たちの中で柴咲コウがどのように立ちまわり、彼らをどのように手なずけ、さらにだまして、彼らをどこに連れていくのか。今ここでしゃべってる柴咲さんとはまったく違う、恐ろしい柴咲コウが観られると思います。ぜひスクリーンを凝視して、柴咲さんが手ごわいフランス人をどこに連れて行くのか。どこにたどり着くのかご覧ください」と呼びかけた。(取材・文:壬生智裕)

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