「光る君へ」はんにゃ金田、長徳の変の裏側明かす 斉信は「本当に恐ろしい男」
吉高由里子が紫式部(まひろ)役で主演を務める大河ドラマ「光る君へ」(NHK総合・日曜午後8時~ほか)で藤原斉信を演じる金田哲(はんにゃ.)。藤原道長(柄本佑)、公任(町田啓太)、行成(渡辺大知)らと並ぶ“平安のF4”のメンバーとして人気を博し、4人の中でもとりわけ野心をあらわにしていた斉信を演じる金田が、19日放送・第20回で描かれた「長徳の変」の裏側を振り返った。第20回放送後、公式Xなどで公開されたインタビュー動画「君かたり」内で語っている(※ネタバレあり。第20回の詳細に触れています)。
道長、公任、行成とともに青春時代を過ごした斉信は、妹で花山天皇(本郷奏多)から寵愛を受けた女御・藤原よし子(井上咲楽/※「よし」はりっしんべんに氏が正式表記)が病に伏していた際にも花山天皇に自身をとりたててくれるよう口添えを頼むなど、かねてから出世欲をぎらつかせ、前話・第19回でも右大臣となった道長に参議にしてほしいとおねだりしていた。
~以下、第20回のネタバレを含みます~
第19回「放たれた矢」のラストから20回「望みの先に」にかけて、花山院の牛車に矢を放った伊周(三浦翔平)と隆家(竜星涼)が失脚する「長徳の変」が勃発。兼家(段田安則)らのクーデターにより出家させられた花山院が、その後斉信の妹・儼子(たけこ)のもとに通っていたことが判明。これを、斉信のもう一人の妹・光子(竹内夢)に忍んでいた伊周が光子に裏切られたと勘違いしたことから起きた騒動だったが、一部始終を見ていたのが蔵人頭の斉信。早速、道長に「(院に)お怪我はないが、院の従者が乱闘で2人死んだ」「武者たちを置いて馬で去った者が二人。一人は伊周、もう一人は隆家やも」と報告した。
伊周、隆家の失態をややうれしそうに見る斉信だが、金田は騒動について「もう「伊周、隆家ファンのみなさま、すみませんでした…」という感じですけども」と切り出し、以下のように振り返った。
「あの当時は「これはとんでもないネタをつかんだぞ」「じゃあどこにネタを持っていく? 道長だぞ? ということは…そうなるよな」というのは多分、普段から思っていないとあの場でパッとできないので、常にそういうことを考えて、自分が参議にどうやったら入れるかっていう日常の習慣的な感じで考えていたんじゃないかなって。そうじゃないとありえないスピード感っていうのがまさに伊周も隆家も「早すぎる情報が回るのが」っていうので、おそらく次の日か次の次の日くらいには謹慎を申し付けに行きますから蔵人頭として「謹慎を申しつける」って言って、そのあと(板谷由夏演じる高階)貴子さんとかに「どうしたらいいですか?」って。「私のもっと上のお話なので…」っていう。そこでもまたタヌキをやっていますから。なので本当におそろしい男だなと自分で演じていても思います。なので伊周、隆家、ひいては、道隆さんにも本当にすみません。ただその分、斉信は偉くなりますっていう感じですかね」
花山院に矢を射かけた罪で追い詰められる伊周、隆家だが、さらに皇太后・詮子(吉田羊)を呪詛した疑惑も浮上して一層立場は危うくなる。相次ぐ不祥事に激怒した一条天皇(塩野瑛久)は伊周、隆家に謹慎を命じ、身内である中宮・定子(高畑充希)をも内裏から出してしまった。成り行きを見ていた斉信は、かねてから近しい関係にあった清少納言(ファーストサマーウイカ)に「中宮は見限れ」と伝えるが、金田は清少納言との関係、斉信の真意をこう見ている。
「時勢を読むのがすごくうまいので、好いたおなごのところにそういうふうに報告するのは当然というか、自分が気にかけている特にききょうに対しては「時勢を読めよ」というメッセージと、「もう中宮(藤原定子)じゃないぞ。次はどこかわかるだろ?」。でもききょうも置かれた環境もありながら、ただそこは残酷になってほしいっていう恋心もあり、時代の流れ「こっちに来い」っていうふうに誘っているんですけど、ききょうはずっと(定子と)一緒にいたいんじゃないですかね。だから結局振り回されているのはこっちなんですけど、なのであんなこと本当なら言っているのがバレたらまずいんですけど、それでも言うっていうことは未練たらたら。むしろ遊んでやるつもりが本気になっちゃってますね。そんな感じがします」
伊周、隆家が失脚した結果、参議へと昇進した斉信。「長徳の変」は斉信にとって“チャンス”のようにも見える事件だったが、果たして……。(編集部・石井百合子)