脱ぎっぷりもピカイチ!大御所ジョシュ・ブローリンはインスタ芸人としても一流
インターネットを使いこなすのは難しい。とりわけ有名人のSNS運用にはヒヤヒヤさせられる。トンチンカンな発言をしたり、存在しない真実に目覚めたり、おかしな連中と仲良くなり始めたり……SNSの闇に呑まれていった有名人は枚挙にいとまがない。あなたも応援している有名人(俳優、歌手、作家などなど)がインターネットでおかしな挙動を見せて、眠れぬ夜を過ごしたことがあるのではないだろうか。そんな中で、インターネットをうまく使いこなしている大御所ハリウッド俳優がいる。ジョシュ・ブローリンだ。意外なことに、御年56歳になるこの名優はインターネットの扱い方がうまいのである。
ジョシュはキャリアも長い。『グーニーズ』(1985年)で映画デビューしてからは、脇役を中心に活躍。そしてコーエン兄弟の『ノーカントリー』(2007年)で、映画史に残る殺し屋アントン・シガー(ハビエル・バルデム)に追いかけられる男を熱演し、高い評価を得た。その後も『メン・イン・ブラック3』(2012年)で若い頃の捜査官Kを演じ、トミー・リー・ジョーンズを奇跡的に完コピするなど名作・佳作・大作で活躍。やがて2014年からはMCU最大のヴィランとなったサノス役に抜擢。特殊効果で紫のムキムキボディになりながらも、時に狂気的で、時に哀しさすら漂う、堂々たる悪役っぷりでマーベル映画を支えた。近年も『DUNE/デューン 砂の惑星』(2020年)シリーズで活躍中だ。
まさに絶好調の名優なのだが……実は、俳優として活躍する一方で、インスタ芸人としての側面も持っているのである。鏡の前でメイクをしていたら、急にインスタのアプリで加工された満面の笑みを見せる動画などの可愛らしいものや、うめき声を上げながら筋トレをしていると見せかけて、カメラが引くとトイレで気張っているだけだったというドリフ的なもの、海水浴の格好をして芝生の上にいるだけのシュール系の画像など、ネタの幅も広い。
そしてパロディ系のネタも積極的にやっている。2019年にはファッションの祭典、メットガラについて言及した。メットガラと言えば、ニューヨークのメトロポリタン美術館で開かれているファッションの祭典だ。ファッションの展示会の開催を彩るパーティーだが、完全招待制であり、しかも毎回テーマも決まっている。選ばれたセレブたちが、用意されたテーマを自分なりに解釈、ファッションに落とし込んで参加する、いわばセンスで殴り合う勝負の場でもあるのだ(チャリティーイベントでもあります)。今年もゼンデイヤやジェニファー・ロペス、ストレイキッズなど、幅広い面々が参加した。
そんなメットガラについて、ジョシュは2019年にいきなり画像を投稿した。それは彼の当たり役であるサノスがファッションの祭典・メットガラに参加しているコラ画像だったのである。「これを実現させてくれたすべての人に感謝します」とコメントが添えられていたが、もちろんジョシュは呼ばれていないし、出てもいない。完全なギャグだったわけだが、インターネットがうまい人である。
そして2024年、再びジョシュはメットガラのネタに手を出した。「昨夜はメットガラで素晴らしい時を過ごしました。とても光栄です」というコメントの横には、自宅のベランダにて全裸で仁王立ちするジョシュを後ろから捉えた写真が。往年の井出らっきょばりの脱ぎっぷりの良さである。もちろん彼はメットガラ2024には呼ばれていないし、出てもいない。そもそも全裸なので、参加したら出禁になるだろう。こんなド直球なネタをやりつつ、「新番組よろしく!」の番宣も抜け目なくつけているあたり、やはり出来る人である。確かな演技力とバラエティーマインドを併せ持つ男、ジョシュ・ブローリン。彼の活躍を今後も引き続き注視していきたい。(加藤よしき)